2021年2月10日の朝日新聞より

 漫画「風の谷のナウシカ」(太田啓之)〈宮崎駿監督は映画版の完成後も……漫画版の続きを懸命に書き続けた。「宮崎さん自身、自ら創造したはずの作品世界をコントロールできず、蛇行しつつ転がってゆく物語の行く末を懸命に追いかけた感がある。(民俗学者・赤坂憲雄)」〉

 ナウシカはちょっと置いといて。この赤坂憲雄の「自ら創造したはずの作品世界をコントロールできず」というところにとても興味を持った。作者が全てコントロールして筋書き通りに作品を進めるのではなく、作者自身が自分の創作した世界に引きずりまわされる……。短歌創作にも通じるのではないか。

 しかしなあ。新聞の書評映画評など読んでいつも思うんだけど、ネタバレが多過ぎるよ。読者より先に得た情報で差別化を図るって、ストーリーものの評でやっちゃいけないよね。ナウシカ、漫画で読んでみようかな、と思いながら記事を読んでいたが、終盤の秘密を明かされ撃沈。

2021.2.11.Twitterより編集再掲