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When The Wind Blows 鑑賞

1986年に制作された「風が吹くとき」、今やっとリバイバル上映を観た
@出町座
観終わってパンフレットを買う。
そして当時この制作に携わっていた人達が全員他界している事にショックを受けた
もう38年前の作品。

この原作が描かれた当時は軍拡、米ソが数万発の核兵器を蓄積した冷戦時代、しかし
2024年の今また原発施設への攻撃や核武装をちらつかせる輩が居て緊張が高まっている、が
戦後79年、体験者もほぼ居なくなりもうすっかり風化しそうな現在。

うちの区域の役所でも原爆の絵画展をやっていて、それはなんと高齢化する被爆者からの体験を高校生が聞き取り、絵にするという作品だった。累々とした屍の中を負傷した友達を運ぶ絵、巨大な火災が画面いっぱいに燃えたぎる絵、イメージを膨らませ描いた子供達のことを思って苦しくなった。
回り道をしたが本題の映画だ。

温かみのあるタッチの愛らしいキャラクター、でイギリスの片田舎で暮らす老夫婦ジムとヒルダ。
日系のジミーT・村上がアニメの主人公の家をミニチュアセットで精巧に作り照明の具合を緻密に計算、と実に丁寧な仕事ぶりなのだ
平凡な老夫婦が核爆弾が落ちる3日前に政府発行の冊子に忠実に核シェルターを手作りする、ていうのがもう茶番
そして核爆弾が落ちた後も生き延びた老夫婦が緩慢に死に向かう様子が恐怖を誘う
愛する家族、育て上げた子供はどうしてるだろう?近所の牛は?キャベツ畑は?
「そのうち政府が助けに来てくれるさ」という空虚な言葉
目に見えない放射能に侵され、食べ物や飲み物もなくなり
最後に夫婦が唱える「神様への祈りの言葉」がひときわ切なくひびく。。
日本語版の森繁久弥と加藤治子、そして主題歌のデビッド・ボウイ、ロジャー・ウォーター(ピンク・フロイド)大島渚。。素晴らしい人達が集まったアニメーション映画。
いま、また核の脅威が再燃している。とこんな世界で子供でも分かるシンプルな答え NO NUKES
核を使わない、唯一の被爆国の日本ならなおさらだ

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