十八/レージフリーク
「リュウは戻らなかったの?」
麗次は歩道に立ち止まると、携帯電話に噛みつくように言った。
「てっきりレージと一緒だと思ってた。あいつがギターを置いてくなんておかしいと思ったけど……じゃあ、あいつ……」
メンバーの当惑した声が、早朝の青空の下で奇妙にはっきりした輪郭をもった。
「ごめん、ぼくのせいだ……」
感情にまかせて相棒を置き去りにしたことが、大きな後悔となって押し寄せた。
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