エピローグ/レージフリーク
麗次はソファの肘掛に頭を乗せ、仰向けに横たわっていた。ヘッドフォンから流れる曲に合わせて小声で唄い、時々みぞおちに置いた紙に歌詞を殴り書く。テーブルの上には無造作に開封された封筒と一緒にコンパクトディスクが置かれていた。
呼び鈴が軽快に鳴った。一度鳴らした後、二度鳴らす。これが二人だけの合図になっていた。
「開いてるよ」
ヘッドフォンを外して気だるく告げた。その口元には自然と笑みが浮かんでいる。
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