十九/レージフリーク

「出ねぇ……」
 響は車から降りると携帯電話を睨みつけた。その後には淳が続き、彼の背中を強く押しやった。
「立ち止まらないで下さい」
 響のマンション前には不自然な人影がちらついていた。それは彼を確認すると、一斉に水を得た魚のように動き出した。手にはカメラを持ち、遠方から口々に呼びかける。
「三条響さん!」
 淳はエントランスの扉を慌しく開け、険しい顔つきで言った。
「マスコミです。振り向かないで下さい」

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2,889字
オリジナルBL小説です。全30章。完結済み。 18禁につき、ちょっと過激な描写もあります。

天才ボーカリスト高階麗次の愁いに魅かれたモデルの響。 しかし、初対面でいきなり敵意を向けられてしまう。 彼は繊細な外見とは裏腹に予想外の「…

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