二十五/レージフリーク
「別れてきた」
麗次は車のドアを開けて顔を覗かせると、無言で車内に居た二人に告げた。
「麗次……」
奇妙に高揚した声音に拓也は何か言いたそうに口を開けた。しかし、響の様子に気持ちを奪われ、バーに視線を移した。
「はい」
眉を顰めるリュウに抵抗もなく右手を差し出す。不自然に無邪気な笑顔。彼はそれを凝視しながら、黙々と手錠を嵌めた。すると、麗次はその手を握って引っ張った。
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