八/レージフリーク

 拓也は音楽スタジオのロビーでパソコンを開いていた。誰も居ないソファに腰かけ、ライブのスチール写真を一枚ずつ確認する。
 傍らにはあのバングルを置いていた。それを指先で弄りながら、スポットライトの下で妖艶に熱唱するレージを凝視した。
──確かに魅力的、だよな……。
 半開したワインレッドの唇に焦点を絞り、ぼんやりとそれを拡大する。そこへ、いきなりスタジオの扉が開いた。中から重厚なベース音が漏れ、隙間から麗次が顔を出した。

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2,558字
オリジナルBL小説です。全30章。完結済み。 18禁につき、ちょっと過激な描写もあります。

天才ボーカリスト高階麗次の愁いに魅かれたモデルの響。 しかし、初対面でいきなり敵意を向けられてしまう。 彼は繊細な外見とは裏腹に予想外の「…

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