すこし変わった反抗期
最近うちの甥っ子が、変わった反抗期をむかえた。
もともととっても可愛らしい男の子。
キレイな物が好きでとても純粋。
それはもう将来がすこし心配になるくらいに。
細身ではあるものの、同級生と比べると頭ひとつ抜ける背の高さ。
そんな甥っ子が小学生のときからいじめにあっていたと知ったのは少し前のこと。
クラスの中のジャイアン的な子から執拗に嫌がらせを受けていたらしい。
自分が強いのは知ってる。
耐えられずに初めて相手にやり返してからは、もういじめらることはなくなった。
でも、純粋なあの子は相手を傷つけた事に傷ついてしまった。
嫌な思いをした小中学校を卒業し、心機一転、高校に入学したものの、周囲と馴染めずに孤立しすこし軽めの登校拒否。
学校をときどき休むようになってしまった。
親から見ても、以前と比べ周囲と亀裂が入っているようには決して見えなかった。
そんな子供を心配した両親が腑に落ちた答え。
それが『反抗期』。
カウンセラーの先生が教えてくれたんだそう。
「最近の子は昔と違って外で発散しない。
周りの人間も優しいから、自己主張のために当たる先が見つからない。
そうして矛先が自分に向く子が増えた」のだそう。
私を含め、「小さな頃のいじめのトラウマが今も影響してるんだ」と勝手に思い込んでいた大人たちは少し複雑な気持ちになった。
もちろん過去のいじめの影響がないとは絶対に言えない。
けれども、反抗期という拍子抜けするような響きに少し胸を撫で下ろしたのも事実。
身体は大きくなってもまだ高校生。
君の成長はすこしややこしいね。
それでも可愛い可愛いわたしの甥っ子。
生きていればこれからもいろんな事があるけれど、君だけが持つその純粋な心で「この世は美しい」と感じてほしい。
おばさんはずっと君の味方だよ。