見出し画像

子どもに伝えたい! 心を落ち着けるためのライティングスキル

「どうしてうちの子は文章がうまく書けないんだろう」と思ったことはありませんか?

私は、ずっとそのことを悩んでいました。

今回は、日本での指導歴10年以上の私がカナダの教育を受けている子どもたちを分析して得た、子どものためのライティングスキルとそれが必要な理由についてお伝えします。


あらためて実感! 北米のライティング教育

1.やっぱり! 習ってなかった文章の書き方

実際に、子どもの日記を見るようになって「あれ? 起承転結しか思い出せないぞ」と感じる自分に気がつきました。

そこで、いろいろ調べてみました。

文章の書き方を教えない日本の教育

以前にもこのnoteで書きましたが、新しく義務教育のカリキュラムに入った『プログラミング教育』でも、まず最初に習得すべきこととして「論理的思考力」を鍛えるなかで「物事を言語化」することの重要性を説いています。

それは、大人になってからの日常生活やビジネスにおいて、問題解決をするには、いまある目の前の問題を言葉にして表現し、整理して解決するという不変のプロセスがあるから。

でも、日本の学校教育においては、この文章を書くという『課題』は出されるのに、なぜか『文章の書き方』を学ぶことはありません。

皆さんの中にも、小学校や中学校の宿題や課題で『作文』や『読書感想文』を書いたことはあるけど、実際に書き方を学んだことがあるという人は少ないのではないでしょうか。

実際に日本の学校で使われている教科書の中で、作文や論文を書く方法を扱った項目は無く、教師も授業の中で『正式に作文を教えることは無い』と答えています。

一方アメリカでは、教師の全員が国語を教える目的は「文章を書く技術と能力を高めることである」とハッキリと明言。

「あなたの子供の文章力は大丈夫? 作文が苦手な子供が生まれ変わる驚きの教育法とは」より

本当にそうなのです! 実際に、私も子どものために調べました。

英語だと「文章の書き方・ステップ」のような手書きや印刷の情報がたくさんあります。でも日本語ではほとんど見たことがないのです。

「アメリカ人は結論(Yes、No)から最初に話す」とよく言われますが、小さいころからPREP法で話す練習をしているから当然のことだったのです。

*PREP法とは結論から先に話しはじめる方法です。本記事の後半部分でくわしく説明します。

2.娘のクラスで見つけたおもしろいもの

ある日のクラス参観で、おもしろいものを見つけました。
【感情をあわらすカード】です。

これをどう使うの……?

と、元講師の直感が反応しました。


その時、使われていた感情は次の4つです。

Happy,  Fine,  Sad,  Angry

私は娘に、先生はどうやってこの感情を使うのか聞いてみました。

自分の名前の書いた棒(アイスの棒)を、その気持ちが書かれた缶の中に入れるの。そしたら先生が「あぁ~、今日はこの子に気をつけてあげないとねー」ってわかるの。

子どもが、他人の感情と先生の行動理由を知っているってすごくないですか?

そこで、さらに感情カードを使う理由を調べてみました。


・自分の感情にむきあう
・感情にあった言葉を知る
・相手の感情がわかる
【自分と他人の気持ちを知る】という素晴らしい方法だった!


3.教育系ゲームの中でよく聞かれたのは「この話の言いたいことは?」

新型コロナウイルスが猛威をふるっていた頃のことです。

息子は学校から紹介された教育系ゲームをオンラインでやっていました。

ストーリーを終えると、毎回おなじことを質問されます。

「この話の言いたいことは?」

「またその質問!?」と思ったときに、教育経験のある私には出題者の意図と大事なポイントが見えたのです。

この瞬間に「日本ではあまり習ってなかった文章の書き方」「知らなかった自分の感情を伝えることの大切さ」「話の主旨をつかんで伝えることの重要性」がはっきりとつながりました。


「やばいっ!」あせった私が選んだもの

さっそく、私は子どものためにライティングを勉強し始めました。

最初に力を入れたことは「感情」とつながる「場面設定」です。

なぜなら、子どもは一番「場面設定」で悩むからです。

場面設定のために

例えば、たくさんの「スキ」を集める「倉田エリ|ファンが増えるkindle出版コンシェルジュ」さんは、記事の中でこう書いています。

そんな、表現を磨くための4要素をお伝えしますね。
今書いている、noteでもすぐに実践できる方法です。

まず、次の4つの要素を考えてみてください。

①等身大のあなた(飾らない、あなたの視点)

②心を揺さぶった感情(あなた自身の感情・感動・怒りなど)

③未来を変えるきっかけ(気づきを得た一瞬の出来事)

④具体的な描写(実際のエピソード)

この4つを網羅しておけば、共感を得る文章にぐっと近づきます。

ライティングスキル|文章力を上げる方法とは? ファンを増やす4つの構成要素

(作者の意図を尊重し、原文をそのままコピーしています)


■『日常の瞬間を切り取って!』

・今日のお母さんの髪型
・登校中に見た、猫の模様
・バスで席をゆずっている人を見た

■『感情をあらわす言葉を使って!』

・不思議だった
・悲しかった
・楽しかった 

■『そのときの発見と疑問を書いて!』

・髪を切ったのか! なぜだ……?
・白と黒の模様が牛みたいだな。名前をつけるとしたら「うし猫...…?」
・ゆずった人はしんせつだな。ゆずられた人は白い杖を持っていたな。

■『実際に体験したことをくわしく!』

感情を書く時はなぜそんな気持ちになったのかも合わせて書くようにすると、よりわかりやすい文章になります。

また、感情と見えない部分への想像がつながるので、より思考力が鍛えられるはずです。


PREP法もいいんじゃない?

日記はどんなふうに書いても間違いではありません。

それならば、日記でPREP法で書いてみたらどうでしょう。

PREP法とは、要点が簡潔に伝わる優秀な型。ノウハウを伝えるときや、SEOを意識した記事を書くときにオススメです。(※SEOとは、”Search Engine Optimization" の略で、検索エンジン最適化を意味する言葉です。)

【PREP法】
Point → 結論
Reason → その結論になる理由
Example → 具体例
Point → 要約まとめ(再度結論)

文章の書き方のコツ3:PREP法で構成

(作者の意図を尊重し、原文をそのままコピーしています)

ちなみに、Pointのところに意見(Opinion)を書くスタイルは、『OREO』とよばれています(笑)おぼえやすいですね!

OREOは、北米でハンバーガーにならぶ有名な書き方です。

こちらはハンバーガーの例です。



オノマトペは文章をととのえるスパイス!

国立国語研究所のサイトにはたくさんの「オノマトペ」が紹介されています。

ここでは、丁寧な例文も紹介されているので、子どもたちの勉強になると思いませんか?

また、場面にあったオノマトペを、親子で探してみるのも良いかもしれません。


ライティングスキルを学ぶとついてくる「文章力」以外のもの

話の本質を見極める目

話の本質を見つけることは、大人でも簡単なことではありません。

何を、だれに伝えるか!?

この一点にのみ集中して、話を展開するのです。

日記には文字制限という固定されたイメージがないので「話の本質を意識した文章作り」には最適です。


心の安定

例えば、こんな事があったとします。

・友達とケンカした
・自分の気持ちがわからず、イライラしている
・うまく(論理的に)説明できない

こういうときに、多くの子どもは悩みます。

うまく気持ちを処理できないので、イライラや不満を物や人にぶつけてしまいます。

そういう場面について、TVで有名な尾木先生は、こう話しています。

”得意科目から人間性がわかる”がその回のテーマだったから、テレビ的表現をしたのだけど、ここでの国語力とは「文章を読み、理解したことを自分の言葉で表現する力」のこと。共感力や想像力に近い。この力がいじめっ子は弱い、というのが教員生活四十年のボクの実感ね。

文春オンライン「『国語が苦手だといじめっ子になりやすい』発言の真意――尾木ママ語る」より

ライティングスキルを学ぶと、自分の内面とむきあうので、他の人への「共感力」や「想像力」が強化されていきます。

そうすることで、自然と読書の経験から困難を回避するヒントをさがすようになるのです。

こうしてインプット量が増えるので、自然とアウトプット(文章力)もアップするのです。


noterを見ればわかります

尾木先生の記事を読むと、noteが炎上しにくい理由もわかります。

国語力がもともと高いnoterは、常に相手の気持ちを想像し、自分が考えていることにむきあっているので、人を攻撃しません。


それは、note運営で有名なアサヒさんの記事にも書かれています。

SNSトップクラスの炎上リスクの低さ

4つのSNSを比較して、noteの立ち位置(企業のnote視点)を改めて検証やってみた


毎日、日記を書くことで、落ち着いて気持ちと文字へむきあう習慣が手に入ります。


最後に

もう一度言います。
ライティングスキルを学ぶことは、文章力を身につけるだけではありません。

・自分の感情にむきあう
・相手の話をよく聞く
・大事な話の本質をみきわめる
・論理的な文章を考える

インプットした情報を、自分が満足する形でアウトプットできるから、心が落ち着くのです。

そうした理由から、私は子どもたちに、日記を書くようにすすめています。

習慣化させていると、「日記を書こう」と言うだけで子どもたちは自分でノートと鉛筆を準備し始めるようになってきました。

まだ自力でテーマを決めることは困難です。でも、テーマやお話の設定さえ手伝ってあげるとだまって、いっきに書きあげるようになりました。


この集中力がほしかった!!!

まさに、私が感動した瞬間でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
もし、この記事が良かったなと思われたら「スキ」で応援して下さい!

こちらもどうぞ!



いいなと思ったら応援しよう!