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第5回知財事務コミュニティ勉強会「知財事務の効率化」

こんにちは、知財事務コミュニティメンバーのTと申します。
先日、10月24日に「知財事務の効率化」をテーマに勉強会を開催しました(参加者6名)。
私のように特許事務所で勤務している方の他、企業の知財部の方にもご参加いただきました。

特許事務所で働く身として実感していることとして、事務一人一人の仕事の効率を上げることができれば、同じ仕事をより少ない時間でこなすことができ、生み出された時間で自己研鑽や更なる業務の効率化に向けた仕組みを考えることができるのではないか、ということです。
また、事務の効率化は、経営的な視点からも望ましいものですし、事務作業のミスの削減や迅速的な報告・納品の実現など、お客様の利益にも繋がる重要な課題だと考えています。

私が勤務している特許事務所では、例えばお客様にお送りするメールの文面や請求書が自動的に作成されるツールの使用など、効率化のための取り組みがいくつかされています。
それでも、この業界にありがちな問題として業務の電子化が困難であるという事情もあり、まだまだ効率化への課題は残っていると感じています。

とある参加者が勤務している特許事務所では、紙の包袋を廃止して電子化することで、作業時間が従来より約1時間短縮されるようになり、事務も週に3日は在宅勤務ができるようになった、との事例が紹介されました。
別の特許事務所に勤務している参加者は、紙の包袋を探すのに1日かけている人がいたりと非効率が目立っており、図書館の書籍管理システムのように包袋にバーコードをつけることで紛失を防ぐという方法が考案されたものの、結局は着手に至らなかった、と仰っていました。

また、技術者はデータで仕事をしており電子化に抵抗がなくても、事務は紙媒体の方が仕事がやりやすいため電子化が進み辛いという事情もあるとの声も寄せられました。
このように、包袋の電子化という例を一つとっても、事務所によって実現できるかどうかには違いがあるということを改めて実感しました。
また、図面の数が多い(中には100図近くあることも・・・)発明を取り扱っている事務所では、出願前に明細書のワードファイルに図面を貼り付ける作業が負担になっているようです。
そこでとある参加者の所属している事務所では、外部のエンジニアの力を借りて、図をワンクリックでワードファイルに貼り付けられるような仕組みを構築してもらったとのことでした。
別の事務所に勤めている参加者からは、インターネットで調べ、図面を一瞬で貼り付けられるマクロを自分達で組んだという話もありました。

更に、特許事務所と企業間の円滑なやり取りという観点からは、知財塾では社内のやりとりのみならず特許事務所との間のやりとりでもキントーンを活用しているとのことでした。
事務所側からは、期限の連絡や出願国の問い合わせをチャット形式で簡単にすることができ、そのようなやりとりをするウィンドウの横では、当該出願案件の中間処理等の記録を一覧で見ることもできるそうです。
ただ、キントーンなどのサービスは、企業側が率先して使ってくれない限りは、事務所側から使うのはなかなか難しそうだとの声も聞かれました。

企業の知財部に勤めている参加者からは、企業から特許事務所に出願の依頼をする際、どのような内容を備えていれば事務所として仕事がやりやすいかについて質問がありました。
また、規模の大きい特許事務所では担当者が複数いるため、企業としては誰に連絡をして良いか分からないことがあるとの問題意識も寄せられました。
これらの質問などについて、特許事務所と企業の知財部の双方が自身の業務経験に応じた意見交換が繰り広げられました。

私の立場からすると、クライアントである企業の知財部が特許事務所の仕事のやりやすさに配慮をしてくれ、更には課題だと感じていることを率直に伝えてくれるのは本当にありがたいことです。
企業と特許事務所は、依頼をする側と受ける側という二元論的な関係性に留まらず、お互いの立場に立って慮ることができるような関係性を築いていけるのが、お互いの業務の効率化を推進する上では理想だと感じました。

他にも、顧客情報や期限管理の方法など、様々なテーマに話が及び、特許業界ならではの苦労話に共感する部分も多く、とても盛り上がりました。

この勉強会を通じて、他事務所や企業の業務効率化に向けた取り組みや問題意識について学ぶことができ、本当に良かったです。
今後も機会を捉えて情報交換ができればと思います。

次回(第6回)は、「システムを導入する際の検討事項について」です。

ご興味のある方は、知財事務コミュニティへの登録をご検討ください。参加メンバーを対象に、勉強会の開催情報などをお知らせしています。
参加方法
contact@chizaijuku.com 宛に「知財コミュニティ参加希望」というタイトルで、
1.名前
2.現在の状況(現役特許事務、特許事務に興味がある未経験者、過去に特許事務だったなどなど)
3.特許事務経験年数(未経験、3年くらいなど)
を書いてメールを送ってください。
知財塾の上池より、Slack参加のご案内を差し上げます。

皆さんの参加を心よりお待ちしております。

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