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男と女が喧嘩になるとき

話を聞いているだけなのに、大砲が飛んでくることありませんか?


男性が女性と喧嘩になる時、最も多いのは

「女性の話を聞いている時」

ではないでしょうか。

男性は仕事から帰ってくる時に、

「俺が今日使う分の言葉はもう一言も残ってない。

全部仕事で使ってきた。

あとは黙ってビールでも飲みながら、ゆっくりスポーツニュースを観せてくれ〜」

と思いながらドアを開けると思います。


・・・と、講演で話すと、多くの男性が首をうんうんと動かされます。笑


しかし、そこに待ち受けているのは、

「今日あったことを、あんなこともこんなことも話そう」

と頭の中で今日の出来事を反芻している女性。


「ただいま〜」

とドアを開けた瞬間、

「私、今日ね、〇〇の集まりに行ってきたのよ。そしたらそこで〇〇さんに会ってね。その時に〇〇〇〇って言われてさ〜」

という話が突然始まってしまう、という恐怖を味わったことがある男性は多いはず。笑

「俺はまだ、靴も脱いでないよ・・・」

と思いながら、軽いパニックになる方もいらっしゃると思います。

女性が常に会話のスイッチがオンなのに対して、男性は、必要のない時には電源を元栓から切るようなところがあるので、いきなりトップギアで話が始まると、「あわわわわ」と動揺を覚え、そのせいで無意識のうちにちょっと機嫌が悪くなっていることもあるのではないでしょうか。

「ほんとはビールを飲みながらTVを観たいけど、最近パートナーの話をあんまり聞いてあげてないから、今日はちゃんと聞くとするか!」

そう思った時ほど、なぜか大げんかになったりという経験もあるはずです。

TVを観ながら適当に、「うん、うん」と相槌をうっている時にも、

「あなた、ちゃんと聞いてるの?!」

と怒られることはあると思うのですが、そこから収拾がつかないほどの大げんかに発展することは少ないと思います。

なぜなら、大げんかのポイントは、

「ちゃんと聞いてあげよう!」という、男性の責任感が引き起こすことが多いから。

男性(またはリーダーの役割を担っている人)は無意識のうちに、

「自分の周りにいる人を幸せにする義務がある」

「良く導かねばならない」

ということを感じていると思います。

だから、身近な人や周りの人が

「不平不満を言う」

「愚痴を言う」

「不幸せである」

という状況になると、あたかもそれが自分の責任のような気がして、とても居心地悪くなってしまうように思います。。

自分の経験や知識を駆使して、最短距離で最適なアドバイスをする。

そうして状況を改善することが、居心地の悪さから抜け出す一番のような気がして、男性は女性の話を聞くと反射的にアドバイスをしているのではないでしょうか。

それ以前にそもそも、男性は問題が起こった時に、ゲームをクリアするぞ!みたいな気持ちになることが多く、合理的なことも好きですよね。

特に、仕事ができる男性ほどその傾向が強くなると思います。

それゆえ、彼女や奥さんに、

「私はあなたの部下じゃないのよ!」

と言われたりした経験をお持ちの方も多いはず。


だから、帰ってきた時にパートナーの話が始まり、その中に

「こういうことが嫌だった」

「腹が立った」

「困った」

というようなセリフが入っていると、

「あ、それならこの方法で解決できる!」

と、ちゃんと話を聞かずに解決策を言ってしまうのです。


講演ではここまで話して、

「女性が一日の話をするときに、男性のアドバイスは全く求めていません」

と言うのですが、そのとき会場からは失笑が起こります。

その声を聞きながら、

「男性も日々それを実感してらっしゃるんだなぁ」

と思ったりします。

でも、なかにはかなり据わった目で私を見てくださる方もいて、

「承服しかねるのかな」

とか、

「終わった後に怒られるんじゃないか」

とちょっと心配になったりもします。

おかげさまで未だかつて怒られたことはなく、たいていは、

「今まで自分はずっと勘違いをしてきた。良かれと思ってやってきたことが間違っていたことにショックを受けていた」

という状態だそうです。

「女性が話をする時に、アドバイスは求めていない」

というのは何も私が発見したことでも言い始めたことでもなく、長きにわたって言われてきたことだと思うのですが、それでも、

「今までずっと知らなかった」

「もっと早く知りたかった」

とおっしゃる方が結構いらして、そのたび、

「気づかないまま関係がこじれてしまったんだろうな」

と、もったいなく思います。


じゃあ、

「アドバイスを求めてないなら、何のために女は、あの、オチのない話を延々とするんだ!」

とか、

「ちゃんと解決策を与えておかないと、また同じ話を聞かされるじゃないか!」(解決策を提示しても、同じ話を聞くことになる。というお話はまたいずれ)

と男性は思いますよね。

「女性がなぜ、一日の中で起こった嫌なことや困ったことの話をするか」

というと、

ズバリそれは、心と頭の整理のため、ガス抜きのため!

女性は、気持ちや頭がこんがらがっていても、それを身近な誰かに共感しながら聞いてもらうことで、話していくうちにそれがほぐれていって、話し終えると、

「よーし!また頑張ろう」

とスッキリした気持ちになれるんです。

ぐちゃぐちゃしたものが、喉から外に出ることで、スーッとしていく感じでしょうか。

それを聞かされる方はたまったもんじゃないという声が聞こえてきそうですが、女性同士はその聞き役をうまく交代しながらお互いの胸の内を吐き出し合い、元気になっていきます。

昼下がりの喫茶店などで、女性のグループで話していることありますよね。

最初はちょっと浮かない顔をしている女性でも、

「うちの旦那がさ〜」

とか、

「この前お義母さんがね」

と話し始め、それを周りの女性が、

「うんうん」

「わかるわかる」

「そうだよね〜」

と聞いているうちに、話している女性は元気になっていきます。

また次の女性に話す順番が回って、ひと通りそれが終わる頃には、みんなが元気になって、顔色も血色も良く、

「じゃあまた!」

と解散する時には晴れ晴れとした顔でそれぞれの持ち場に帰っていく、というシーンが、容易に目に浮かぶと思います。

そんなふうに、女性が自分の苦しい胸の内を話していくことで元気になるのに対し、

男性が仕事帰りの居酒屋などで、

「この前あの部長がさぁ」みたいな話をし出した場合は、

言っている本人が、そういうことを言った自分を許せなくなり、

「こんなこと言ってる俺ってカッコわり〜」と惨めになり、

どんどん歯止めが効かなくなって、最後はお店の外で、

「部長のバカヤロー」と叫びながら寝転んでいる、

なんていうことになりかねません。


男性は、

「何か辛いことがあったら何でも言ってね」

と言われると、余計にストレスを感じることがあると思います。

辛い時だからこそほっといて欲しい、そっとしておいてほしい、何も聞かないでいて欲しいと思うのに対し、女性の多くは辛かった話を共感して聞いてほしいと感じています。

ドラマなどでは、

「辛かったこと、無理して言わなくていいよ」

というシーンがポピュラーですが、

興味本位の野次馬は別として、自分の身近な大切な人には、自分の辛かったことや苦しかったことを聞いて欲しいと思っている人が多いと感じています(もちろん、言いたくないことも、言えないこともあると思うので、無理に言わせるのはご法度ですが)。



だから、自分から聞いてもらおうと話しているのにもかかわらず、

その気持ちをちゃんと聞いてもらえずに、

「それはそんな意味じゃないだろう」

とか

「お前の思い違いじゃないのか」

とか

「もっとこうすればよかっただろう」

とか

「大変なのはお前だけじゃないだろう」

と言われると、共感されるどころか自分が責められているような気がして、女性も辛くなってしまうのです。

どうして自分が話をするだけでこんなに辛い気持ちになるのか、女性自身がわからないことも多いと思います。


男性は女性が話し出したときに、頭のどこかで、

「もっとこうした方が良いだろう」とアドバイスすれば、女性は、

「なるほどそうね。私、今度からそうしてみるわ!ありがとう」

と言われて、一件落着。

自分はゆっくりビールを飲みながらテレビを見られる

と言う図式が浮かんでいると思います。

それなのに実際は、

「どうしてそんなことをしたんだ」

と言った瞬間女性の顔が曇りますよね。笑


男性としては最短距離で解決したいからこそ、

「どうして?」

と原因を聞き出そうとするのですが、言われた方の女性は、

「どうして?」

と言われたときに、

「お前が悪い」と責められているような気持ちになるのです。


「この前、こうした方がいいって言っただろう」

「〇〇さんはそんなつもりじゃないだろう」

と言えば言うほど、

「あ、なるほど。そうだったのね」

ではなく、

「何なの?私が悪かったって言うの!?」

「あなた〇〇さんの味方なの?」

という、頭で描いたことの真逆に話が進行してしまい、ゆっくりビールを飲むどころか、

「いいわよもう!あなた、全然私の話聞いてくれないじゃないの!!」

という結果になり、

「こんなに一生懸命話を聞いているのに、どうして・・・」

と頭をかかえる事態になりますよね。


だからこそ、男性が女性の話を聞くときに使っている言葉はたった3つ!

これから女性の話を聞くときは、この3つだけを使うようにしてください。


ここまで読んだだけで、さぞお疲れになったでしょう。

3つの言葉、この続きはまた次回!


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