店長のたりない日々(2024年9月号web版)
※店舗で張り出している物とは内容が違います。両方楽しんでいただけたら嬉しいです
夏に咲く花
子供の頃は夏と言えば「お祭り」、「田舎への帰省」、「アイス」そして「花火」だった。
毎年のように花火をやって「すげー!!」とか大きな声を上げて、騒いで、大人たちもいつもよりも楽しそうだった。
そんな夏に咲く綺麗な花である花火もいつしか、「やる」ものではなく「観るもの」になっていった。理由なんて色々とあると思うけれども、一番の理由はやっぱり安全の問題から花火ができる場所が少なくなったからだと思う。
公園や河川敷はもちろん禁止だし(一部ではできるところもあるみたいだけど)、仮に家の敷地内でやるとなってもかなり近隣の方へ気を使わないといけない。
そうやって色々な「やらない」が積みあがって、「観る」ものになったんだと思った。でも、せっかくの夏だし観るのではなく花火をやろうという話になった。
そして先日実際に千代の湯の駐輪場でプチ花火会(大会じゃないのです!とても重要!笑)を開催した。
入浴しようがしないが、「せっかくだし花火をやりませんか」とお声がけをしたところ結構なお客さんが楽しそうに綺麗な花を咲かせた。
メインで用意したのは線香花火。
音も煙も少ないし、8月末の夏の終わりにはちょうどいい花火だ。
お子さんには手持ちの花火も用意して、家族総出で楽しみに来てくださった方もいた。
少し話を聞くとやっぱり「花火は中々やる場所が無くって・・・」とおっしゃっていた。お子さんは手持ちの花火をやるのが生まれて初めてなんて方もいたり。
もちろん子供たちも楽しそうではあったけれども、それ以上に大人たちが楽しそうだったのが嬉しかった。静かで派手さはない線香花火をぼーっと見ながら「懐かしいなあ・・・」なんてお声がちらほら聞こえた。その風景は私にとってもなんだかとても懐かしかった。
祖父母の家でいとこ達とわーきゃー言いながらやったあの時の花火の記憶が脳内をよぎる。すっかり古い記憶になってしまっているけど、今も花火の色は全く褪せていない。
ふっと「そう言えば煙も匂いも少ないな」と思って、花火の袋を見てみると「煙が少ないタイプ!」と書いてあった。さらには「音が小さい!」とも書いてあった。花火を作る側も様々な事情を考慮して、日々進化しているんだなとこんな所で実感してしまった。
花火会に参加した親子からも「煙が少ないですね!凄い!」と声が掛かり、私も「今の花火って進化しているんですね」なんて返したり。
今年も何も夏っぽい事ができなかったな、なんて思いながら8月末を迎えたけれども最後の最後にしっかりと「夏」らしい事が出来た。しかもお客さん達と一緒に。
まだまだ暑い日が続いていて、夏は続くけれどもそれでも「ひと夏」というイメージである8月にいかにもな「夏」っぽい事が出来てとても楽しかった。
ぷち花火会はまたやりたいなあと思いながら、秋を迎え入れる準備をする。
秋はどんな楽しい事が待っているのかな。
文責
店長
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