あとがき -『12月23日の夜に。』ができるまで-
こんばんは。
深夜に更新させていただきました『12月23日の夜に。』読んでいただいた方、ありがとうございます。
日頃から親しくさせていただいている七海さん主催の#2020クリスマスアドベントカレンダーを作ろう の企画に参加させていただきました。本当にありがとうございました。
"小説”、ということ以外、特にレギュレーションがあるわけではなかったため、何を書こうか、11月末から悩みました。その過程で出てきた気持ちがこちら。
「クリスマスに働いている人たちのことを書きたい」。
私自身、23日~25日、一般的に「クリスマス」期間とされているこの3日間に夜までしっかり働いた経験があります。
プレゼントであろう紙袋を持ってカフェに来店される人の表情はいつもより華やかで昼を皮切りに夕方、そして夜まで賑わいを見せていました。羨ましい気持ちを抱きながらも、精一杯の笑顔で接客したのを思い出します。
クリスマスケーキの販売は正直、過酷でした。朝一番から大量に納品されるケーキを裏の倉庫に片し、夕方以降、ピークを迎えてからは倉庫と店頭との往復し、接客、陳列、包装を繰り返す……。「てんてこまい」の状況を身を以て知りました。
クリスマスを楽しむ人の裏には、楽しませてくれる人がいます。
クリスマスの買い物を終え、ちょっとお茶でもして帰ろう。そんなときにカフェが開いているから、そこで働いている人がいるから一服できる。ケーキを作る人、運搬する人、販売する人が居てはじめて家で美味しいケーキを食べることができる。
つい当たり前と思ってしまいがちの陰の立役者にも幸せになる権利はあります。……ということで今回は大と美純に代表して動いてもらった次第です。
そしてもう一つ。
「後悔のないクリスマスを送ってほしい」。
『12月23日の夜に。』を夜~夕方にかけてTwitterで何度かシェアしていただきました。そこで人気だったキャラクターが田所さんです。実は田所さんは昨年、ルミさんが企画していた#Xmasアドカレnote2019 で書いたお話、『あなたと私とホワイトスノーマンラテ』ので登場してもらった私にとっての大切なキャラクターなのです。あれから一年経ってしまいましたがどうせならアドベントカレンダー同士で繋がりを作りたいと思い、登場してもらいました。
あなたにはクリスマスに会いたい人はいますか?
家族、友人、恋人……。人によって答えは様々だと思います。だけど中には仕事で会えない、距離的に不可、片思いだなどといった諸事情で会えない方もいるのではないでしょうか。
「好きな子のクリスマスの予定も、いる場所もわかってて、会おうと思えば会える関係性も出来上がってる。だったらもう選択肢は1つしかないんじゃないの」
田所くんが放ったこの言葉。
胸に刻んでいただけたら嬉しいなと思います。
というのも、来年のクリスマスや、次のイベントのとき、会いたい人に会えるとは限らないからです。
状況は一転するということを今年はたくさん感じました。
外出自粛の続く毎日。
点灯時間が短いイルミネーション。
忘年会のない年末。
誰がこんな日々を想像していたでしょうか。
だからもし、あなたが、イベントを楽しむことができる状況にいるなら、後悔をしてほしくない。会いたい人には会ってほしいし、食べたいものは食べてほしい。後悔はして欲しくないんです。
話は少し変わりますが、「灯台下暗し」。
私はこの言葉が好きです。
本当に大切にしなければいけない”もの”、”こと”、”ひと”は身近に、すぐ隣や足元にあると思うから。
もちろん理想を追い求めて夢を描くのも大事です。だけど現実を、手の届く範囲を大切にするのも忘れないようにしたい。
つらつらと述べましたが上記の太字要素を盛り込み、小説に仕立てた結果、『12月23日の夜に。』が出来上がりました。
未読の方、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
既読の方、こちらも含めてもう一度読んでいただけたら飛び上がって喜びます。
なんや宣伝かい! と思ったそこのあなた。
そうです、宣伝です。
どちらも時間をかけて書いた大切な作品ですから、読んでほしいのです!
昨夜、最終回を迎えたとあるドラマでは「恋人と過ごすクリスマスは24日の夜~25日の夕方くらいまで」のようなセリフがありましたが、私は25日のぎりのぎりまでがクリスマスだと思っています。
#2020クリスマスアドベントカレンダーをつくろう の企画は12月25日はどなたでもご参加いただけるシステムになっています。
数百字のお話でも、短歌でも、数行のつぶやきでも。
ぎりのぎりまで楽しみたいですね。
少し早いですが、メリークリスマス!
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