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季語「色鳥」

今回は短めに。

俳句ポスト、2024年9月19日〆切の兼題は「色鳥」です。

角川大歳時記によれば「主に秋に渡ってくる小鳥たち」とのこと。
「色鳥」の「色」は「色々(な種類の鳥)」のことだったり、「色どり(の美しい鳥が多い)」といった意味らしいです。春にやってくる鳥たちは、その「囀りが美しい」とされる一方、秋にやってくる「色鳥」たちは、「姿が美しい」とされます。

歳時記の「色鳥」の近くには、「渡り鳥」も掲載されています。(日本へ)「秋に来る冬鳥」であり、渡りの目的地がより南方の旅鳥が渡っていく様も「渡り鳥」として詠まれるとのこと。大群で渡る姿が印象的な季語だと言います。

色鳥と渡り鳥を比較すると、日本に渡ってくる鳥という点は同じです。
違いとしては
・色鳥は多種の小鳥。渡り鳥には雁や白鳥など比較的大きな種も入る。
・色鳥は渡ってきた鳥の多種な色に焦点が向けられている。渡り鳥は渡ってくる(渡ってきて過ぎていく)という行為に焦点が向く。
というところでしょうか?

また、色鳥という季語には、複数の鳥、複数の種類の鳥が一画面に収まっている。一羽一羽の鳥に焦点を当てると、マヒワやジョウビタキといった個々の種の名を季語として使う方がいい気がします。一方、空高く渡りを行っている鳥の姿は、色がはっきり捉えられないので、これは違うなぁ、となりました。

そんなことを踏まえて、作句に移った今回です。

ところで、私の住む宮城県には、伊豆沼という渡り鳥の飛来地があります。
ここに、雁の飛来が確認されると、毎年ニュースになります。俳句を始める前なら「あ、そういう季節なのね」くらいでスルー、わざわざ行ってみたいとは思うことはなかったのです(行ったこと自体はあります)。

これが、俳句を始めてからいつかは行こうと思うようになり、今回の兼題を頂いたことは決定打となったかと思います。

概ね、雁の初飛来がニュースになるのは9月下旬。それ以降で、初冬を迎えない程度の頃合いにでも、と思っていたら、10月の休日に少し遠くまで行けそうな日がありました。

季語が手を取って行動を起こさせてくれる、どこかに連れて行ってくれる。来月のその日を楽しみに、上半期終盤の忙しさへ立ち向かおうと思います。

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