輪廻プロジェクト応募:朗読文:六篇の詩
Studio “J” プレゼンツ、「才の祭」スピンオフ企画に参加します。
七田苗子さんの対になっている二つの小説「 RiNNe」からイメージされる詩作の募集で、朗読用の詩(六篇)書きました。
▽企画概要▽
▽七田苗子さんの対の小説▽
◎声
はるか記憶の彼方から響いてくる
それはあなたの声だった
まるで暁に見る夢のように
追いかけるほどに逃げてゆく
それはあなたの声だった
誰かを呼んでいる
誰を?
あなたの声は懐かしく優しく
響いているのに遠い声
それはあなたの声だった
◎待ち続ける
そこには足りないものがあった
眠りに落ちる森の奥
わたしはそれを待っている?
当てはまらないパズルのピースのように
わたしの心は収まらない
呼んでいるような遠い声
深い深い心の森で
わたしはあなたの名を聞いた
◎Akane
夜空に輝く星
それはこの銀河の中に無数に存在し
自ら明るく輝く天体
星雲のゆりかごの中で産声をあげ
何十億年も燃え続ける
やがて寿命を迎えた星たちは
華々しくその身を散らして
そして再び星の赤子に生まれ変わる
◎トーマの木
その木はそこに立っていた
じっと黙ったままで
長い長い間 立っていた
太陽の照り付ける夏の日も
冷たい風吹きすさむ冬の日も
その木はそこに立っていた
やがて訪れる出会いのために
まるでそれを知るかのように
その木はそこに立っていた
◎輪廻(碧)
声のする方へ
見えない糸に導かれ
行くべき道を駆けてゆく
いま再びあなたに会うために
この命を燃やしている
まるで暁に見た夢のように
あなたの声に出会えるのならば
僕はどこへでも辿りつく
辿りついてみせる
◎輪廻(沙織)
閉ざされた記憶の向こう側
閃いた一筋の光
命の根を辿り
あなたの元へと駆けてゆく
探し求めたパズルのピースは手のひらに
向かうべき場所を示している
わたしは生まれてきた
ここであなたに会うために