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社内Tableau研修運営Tips(企画~事後フォロー)

Tableau Tips * Tabjo Advent Calendar 2024 - Day11🎅🎄
11月上旬に、社内で初めてのTableau Prep研修を実施しました!
社内推進業務に携わって4年目になりますが、研修を1から企画・設計するのは今回が初めての経験でした。本研修を通じて得られた知見やノウハウを、ナレッジとして共有していきたいと思います。


1.企画

① ターゲットの設定

まず、研修の企画にあたり、同僚やこれまで支援してきたビジネスユーザーに以下の点をヒアリングしました。

  • データ加工で現在使用しているツール

  • データ前処理に対するイメージや課題

  • Tableau Prepの認知度や使用経験

これにより、参加者のスキルレベルや経験値を把握し、ニーズを明確化することができました。

(Tableau Prep研修での例)
【ヒアリング結果】
①表計算ソフトを使用しているケースが多い
⇒表計算ソフトとPrepの違いが比較できるコンテンツが求められる。

② 「データの前処理」の具体的なイメージがないユーザーが一定数存在
⇒Tableau Prepの基礎知識に加えて、「データ分析の全体像」や「データの前処理とは何か」を体系的に説明する必要がある。

③Tableau Prepの社内認知度が低い
Tableauは「ダッシュボード作成」や「Tableau Desktop」のツールとしての印象が強い。Tableau Prep使用者は、ダッシュボード構築や伴走支援経験のある一部のビジネスユーザーに限られる。
⇒座学とハンズオンを組み合わせた研修構成を通じて、Tableau Prepの基礎知識とユースケースを理解できる機会を提供する。

② 研修目的とゴールの設定

①の結果を踏まえ、研修目的と達成目標を設定しました。

研修目的:
データ分析で前処理が必要になった際に、Tableau Prepが選択肢の1つとしてあることを理解し、Tableau Prepの基本的な知識や操作を習得する
達成目標:
・データ分析における「データの前処理」の位置づけや重要性を理解する
・Tableau Prepの基礎知識と基本操作(起動、データ接続、クリック操作でできる簡単な加工、出力)を習得する

2. コンテンツ設計

これまでの社内研修では、「研修後、ビジネスユーザーが学んだ内容を実務で活用しきれていない」という課題がありました。この点を改善するため、ツールの使い方(How)だけでなく、データの前処理の考え方や活用のコツも伝えることを重視しました。これにより、より効果的な学びを提供することを目指しました。

▲初心者向けの研修だったため、まずデータ分析の全体像を触れ、
前処理の位置づけを理解いただいた(画像:研修スライドを再現したもの)

3. 当日の運営準備

コンテンツの設計・作成が完了した後は、当日の運営準備です。今回の研修は、対面とオンラインのハイブリッド形式での実施。両方の参加者の反応を把握しながら進行する必要があったため、事前の準備が重要でした。特に工夫した点は以下の通りです。あとは練習あるのみ!

①双方向のコミュニケーションの工夫

双方向のコミュニケーションを促進するため、以下の工夫を取り入れました。

  • 質疑応答や確認タイミングを多めに設定
    事前に社内コミュニティで「講師に聞いてみたいこと」を募集し、当日に反映(たぶラジの #たぶラジお便りを参考)

  • 参加者への積極的な問いかけ
    対面参加者には、こちらから話しかけるなど歩み寄りを意識。

② 質問しやすい雰囲気づくり

ハンズオン形式の研修では、参加者が1度つまずくと、その後のモチベーションが低下しやすくなります。特にオンライン参加者もいる研修では、会場巡回ができないため、サポート体制の充実が不可欠でした。そこで以下の対策を実施しました。

  • サポート講師の配置
    参加者が自由に質問できるよう、対面・オンラインの両形式にサポート講師を配置。

  • リアクションの促進
    区切りごとに参加者へリアクションを求めるなど、アクティブな参加を促しました。今回オンラインはTeamsで実施したため、Teamsのリアクション機能を活用しました!

③ 参加者の理解度に応じた柔軟な対応

リアクションや質問を通じて、参加者のつまずきやすいポイントを把握し、その場で補足説明や実演を繰り返しました。また、研修後に理解が深まるよう補足資料を作成し、参加者に展開することでフォローアップを実施しました。

4. 研修後のアクション

① 参加者からのフィードバック収集と対応

研修終了後に事後アンケートを実施し、改善点や不明点を把握します。不明点については、社内コミュニティで回答を投稿し解消に努めます。

(Tableau Prep研修での事例)
・ハンズオンでは、一部を繰り返し実施してもらえた点が良かった
・ハンズオンだけだと理解しづらい部分があったため、事前に目を通しておくべき内容が提示されていると助かる

② 研修の効果測定

研修の効果を確認するため、受講後1か月を目安に利用状況や課題をチャットやアンケートで収集します。このデータをもとに、今後の研修設計やアフターフォローに活用します。

(Tableau Prep研修での事例)
Q1. 現在のご自身の状況に近いものを1つ選択してください

1. 複数回Tableau Prepを使用している(研修受講後の利用回数も教えてください)
2. 1度使用してみたが、思うようにいかなかった
3. 興味や使えそうな場面はあるが、業務の繁忙度などで使えていない
4. 自身の業務で使えそうな場面はないため、使用していない

Q2. Tableau Prep活用にあたってのお困りごとはありますか?

こうした取組みを通じて、ビジネスユーザーとの継続的な接点を持ち、今後の研修運営やサポート体制に反映していきます。

③ 研修資料やレポートの展開

研修の成果を広く発信することも重要です。今回のPrep研修では、以下のチャネルを活用して展開しました。

  • 社内ニュースサイト
    Tableauやデータ活用に馴染みがない読者も考慮し、写真を多用し、分かりやすい記事を作成。

  • Tableauポータルサイト
    研修資料や関連情報を掲載し、受講者が復習や活用できる場を提供。

  • 社内Tableauコミュニティ
    コミュニティメンバーとの情報共有を促進。

上記発信を通じて、研修の価値を社内に広め、さらなるデータ活用を推進していきます。


おわりに

工程ごとにまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?今回1から研修を企画・運営するにあたり、Tableau Prepユーザー会を中心に多くの参考にさせていただきました。ユーザーコミュニティの知見は、困ったときの道標として非常に心強い存在です。この場を借りて感謝申し上げます。

研修運営は準備が大変な一方で、知識を振り返ったり、新たな発見があったりする貴重な機会でもあります。また、ビジネスユーザーとの接点が生まれることもあり、非常にやりがいを感じています。

本記事を通じて、読者の皆様にとって何か一つでも役立つものであれば幸いです。


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