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「微細な色と味のささやき」 下

1分小説
この物語は2章構成になっています!


第二章:真実の味


翌朝、瑠璃は早めに店に着き、昨日の不審な出来事を再確認しようとしていた。さやかも来て、二人で試しに羊羹や団子を一つずつ割ってみた。しかし、見た目に異常はない。だが、一口食べた瞬間、瑠璃は確信した。「この味、少し違う…」

彼女は、和菓子を作る際に使用するあんこの配合や温度、材料の出どころまで一つひとつ確認し始めた。すると、ある小さな手がかりが浮かび上がった。最近、新しい仕入先が使われ始めていたのだ。瑠璃は、長年の経験と色彩に対する感覚で微妙な違いを感じ取っていたのだ。

さらに調べを進めると、その仕入先は他の店舗で不審な出来事が報告されていることが分かった。品質に問題があったわけではなく、むしろ意図的に何かが加えられているように思えたのだが、その目的は謎のままだった。

瑠璃は、店主に掛け合い、古い信頼ある仕入先に戻すよう提案した。そして数日後、いつもの味と色合いが完全に戻り、常連客たちも「やっぱりこれだ!」と満足げな笑みを浮かべた。

ふと瑠璃は、あの日見た人影を思い出した。もしかしたら、彼女が感じた不安はただの偶然ではなく、和菓子に込められた思いが警告として現れたのかもしれない。そして、和菓子の味が人の心に与える影響の深さを改めて感じるのであった。



おわり


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よろつよ



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