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更紗 下
1分小説
この物語は2章構成になっています!
第二章: 更紗の下に隠された言葉
次の日、瑠璃はその記憶を追うようにして、祖母の家を訪れる決心をした。久しぶりに訪れた祖母の家は、時が止まったように静かで、草木が庭を覆い尽くしていた。縁側に腰を下ろし、更紗を手に取り、目を閉じる。耳を澄ますと、風の音に紛れて祖母の声が聞こえてくるような気がした。
瑠璃は祖母が大切にしていた古い箱を開け、祖母の遺品を探るうちに、一冊の小さな手帳を見つけた。その手帳には、祖母の淡い墨字で書かれた日記が綴られていた。日記の最後のページには、こう記されていた。
「瑠璃へ。私はいつもあなたを見守っています。あなたがどんな選択をしても、心のままに生きることを忘れないで。更紗のように、あなたの人生も色とりどりの模様で満たされますように。」
その言葉を目にした瞬間、瑠璃の中で何かが解けたように感じた。祖母が伝えたかったのは、彼女自身の人生を恐れずに彩っていくこと。瑠璃は涙をこらえ、静かに手帳を閉じた。そして、更紗を再び広げ、祖母が遺した温かさを胸に、これからの自分の人生を歩んでいくことを決意した。
その夜、瑠璃は更紗の下でぐっすりと眠りについた。彼女の夢の中では、鮮やかな更紗模様が風に揺れ、その中に祖母の優しい微笑みが浮かんでいた。
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