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儚い夢 上

1分小説
この物語は2章構成になっています!



第一章: 遠い記憶


里田瑠璃は東京の小さな和菓子屋で働いていた。彼女の手から生まれる和菓子は、色彩豊かで繊細な美しさを持っていた。和菓子作りに使われる色粉や餡の組み合わせには、彼女が取得した色彩の資格が活かされていた。そんな瑠璃には、小さな心遣いが彼女の日常を彩っていた。

ある日、店に一人の男性が現れた。彼の名前は高橋隆也。昔の友人で、今は成功したビジネスマンだという。二人は偶然再会したかのように見えたが、実は瑠璃にとっては忘れられない初恋の人だった。隆也は変わらず魅力的で、昔のままの優しい笑顔を見せてくれた。しかし、彼が訪れた理由は、和菓子の試食ではなく、店を買い取るという申し出だった。

隆也の提案は瑠璃にとって驚きであった。店のオーナーである祖母が高齢で引退を考えていたのは事実だったが、家族の歴史を刻んだこの場所を手放すのは簡単ではなかった。瑠璃は心の中で葛藤しながらも、隆也との再会に胸をときめかせていた。

その夜、瑠璃は幼い頃の記憶を思い返した。祖母と一緒に作った初めての和菓子、店を訪れる客たちの笑顔、そして隆也との夏祭りの思い出。隆也の存在はいつも瑠璃にとって特別だった。しかし、彼の突然の申し出に、過去の感情が再びよみがえり、彼女の心を揺さぶった。


つづく


#和菓子屋の再生 #初恋の再会 #伝統と革新 #甘く儚い #新たなスタート



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