見出し画像

hakanai yume 上

1分小説
この物語は2章構成になっています!


第一章: 影の囁き


里田瑠璃は、東京の小さな和菓子屋で働いていた。彼女は日々、和菓子作りに情熱を注ぎ、繊細な色彩とデザインで多くの客を魅了していた。しかし、瑠璃には一つの恐れがあった。幼い頃から、夜になると謎めいた夢を見るようになり、その夢の中ではいつも同じ声が彼女に囁いていた。「真実は影の中にある」と。

ある晩、瑠璃は店の片付けを終えて帰宅すると、部屋の中で違和感を覚えた。窓際に影のようなものが揺らめき、目を凝らすと、それはまるで人の形をしていた。瑠璃は身震いしながらもその影に近づくと、それは消えてしまった。これまで夢の中だけだったその影が、現実の世界に現れたことに彼女は恐怖を感じた。

翌日、瑠璃は幼馴染の大地に相談することにした。大地は霊感が強く、かつて何度か心霊現象の相談に乗ったことがあった。彼は話を聞くと、瑠璃の家に「何か」がいる可能性が高いと指摘した。大地はその夜、瑠璃の家に泊まり込み、現象の原因を探ることにした。

深夜、瑠璃と大地が眠りについた頃、再び影が現れた。大地はその影を捉えようとしたが、影はまるで意志を持つかのように逃げ回り、瑠璃の方へと向かっていった。瑠璃は恐怖で体が固まってしまい、影が彼女の耳元で囁くのを感じた。「真実を知りたければ、忘れられた場所へ行け」と。




つづく


#家族の秘密 #影の囁き #心霊現象 #はかない夢 #和菓子屋のミステリー



Kindle unlimitedで無料で読めます



よろつよ


いいなと思ったら応援しよう!