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「ヤマミカ」 上

1分小説
この物語は2章構成になっています!


第一章:不思議な扉


和菓子屋「山猫」で働く里田瑠璃は、毎日店先でお客様に笑顔を届けることに喜びを感じていた。色とりどりの和菓子を作るのが得意な彼女は、色彩の資格を活かして季節ごとの美しい和菓子を生み出していた。しかし、どこか心の奥には「何か特別な出来事が起きないかな」という淡い願いがあった。

ある日のこと、店の奥にある使われていない倉庫を整理していた瑠璃は、古びた木の扉を見つける。その扉はこれまで何度も見たはずなのに、今日は何か違う。扉の表面には、見たこともない不思議な模様が浮かび上がり、手で触れると微かに温かかった。

「何だろう、この扉…?」

瑠璃は軽い好奇心に駆られ、その扉を開けてみることにした。扉がゆっくりと開くと、眩い光が彼女の目を包み込んだ。その瞬間、和菓子屋の倉庫の中から、全く違う世界が広がっていることに気づいた。そこには、見たこともない花々が咲き乱れ、不思議な生き物たちが舞い踊っていた。

「ここはどこ…?」

瑠璃は驚きながらも、その世界に一歩足を踏み入れた。そこには小さな妖精が飛び交い、魔法のように輝く川が流れていた。彼女は心の中で感じていた「特別な出来事」を目の前にして、思わず笑みがこぼれた。

しかし、その世界には何か不安を感じさせる影もあった。遠くから聞こえる不穏な音、そして草むらの奥で光る赤い瞳。それは、彼女がこの世界で果たすべき使命を予感させるものだった。


つづく

#和菓子と魔法 #異世界冒険 #山猫の秘密 #ファンタジー物語 #里田瑠璃の冒険


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よろつよ



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