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健心
2020年5月18日 21:07
彼女が学校に来なくなってから、もう1週間経っていた。薫のバイト先の居酒屋と彼女のバイト先のカラオケ店が近いこともあって、上がり時間が近くなるとメールのやりとりをして自転車で一緒に帰ることが多かった。だけどあの日は、週末ということもあって薫のバイト先の居酒屋も繁忙日で、バイトが終わって携帯を開くと、早く終わったから先に帰るねと彼女から短い文面のメールが入っていた。返事できなくてごめんという
2020年5月6日 15:57
夕方から雨が降りだした。優季は由希さんに断って店の予備の傘を1本借りてから足早に外へ出た。今だったらいつもより1本早いバスに乗れるかもと思って、歩道橋を駆け上がった。一瞬、さっきまで落ち着いていた雨脚が強くなった。車のライトに照らされた雨の糸が、こちらまでその黄色い光を引き上げてきてくれるような、届けてくれるような、そんな気がした。歩道橋を降りていると向こうからバスが来るのが見えた。急がな