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落ち込むとき


うまくいかないことにイラだち、どうにもならないことを憂う。

あの言葉がいけなかったのか、あの振る舞いが気に触ったのではないか。

あの人のあの表情、あの人のあの返信、あの人のあの行動。

鼻の下の大きなニキビ、ひどく乾燥して痛痒い肌、毎日うっすら痛い奥歯、たくさん着ても冷える体、めまい。

何を塗っても、何を着ても、何を飲んでも治らない。
挙句に「気にしすぎ」など言われたりする。

良いと言われる薬が効かないのも、選んで買った下着が合わないのも、漢方薬が合わないのも、なぜか痩せてしまうのも、胃腸が弱いのも、毎日どこか痛くて調子が悪いのも、あの人を怒らせてしまうのも、あの人の機嫌が悪いのも、ぜーーんぶ私が悪い。

気にしすぎて悩みすぎる自分が悪い。
頭が悪くて考えきれない自分が悪い。
考えて行動しても間違う自分が悪い。

それって、そう思う方が楽だからか、、、はたと気づく。

あの表情もあの言葉もあの行動もあの人のもの。
彼が、彼女が、そうしたいだけ。彼らの自由だ。

ニキビも痒い肌も歯痛も冷えもめまいも。
体がそうしたいだけ。体の自由だ。

どうにかしよう、どうにかしないとやばい。
そうやって勝手に追い詰めて。
追い詰められて考えることなんて大抵ズレてる。

あの人の感情も行動もあの人のもの。
原因は何か、追求できると思ったら大間違い。
どうにかしよう、どうにかできると思うのも傲慢だ。
できることと言えば「ああ、今はそういう感じね」と受け入れるだけ。
受け入れるだけ、って自分を責めるより難しい。
深呼吸をして背筋を伸ばして、自分のことをしよう。

体の不調はただの不調。
原因は何か、追求できたらラッキーなこと。
どうにかしよう、どうにかできると思うのは浅はかだ。
できることと言えば「ああ、痒いね、腫れちゃったね、寒いね」と受け入れるだけ。
コーヒーでもゆっくり淹れてゆっくり味わうとしよう。

落ち込んだ時、どうにかしようと思ってしまう。
あることないこと考えて、自分を安易に責めてしまう。
どうにもならないことを憂いて、余計に落ち込んでしまう。

それよりも、今できることを淡々としてみたらどうだろう。
無理にやりたいことを捻り出さなくてもいいよ。
ほら、いま目についたそのゴミを拾うだけでいい。
一日中、お布団でうっとりと眠る猫を撫でるだけでいい。
食べたいものを美味しいと味わうだけでいい。

何も解決しないし、何も進まないけれど、焦る気持ちは大きく減ると思うから。

どうにかしよう、どうにかしないと。を手放そう。

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