鳥を被写体にした瞬間「おまえはすでに死んでいる(レンズ沼の底で)」
「レンズ沼へようこそ」第2弾です。
で、今日はふと思い出した別のお題について書いてみます。
** 今日のお題:鳥写真愛好家はもっともレンズ沼にはまりやすい**
5年ほど狂ったように鳥写真を撮っていた時期がありました。その時感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。
では本題です。
鳥写真の撮影には高倍率レンズ(ズーム・単焦点)が必要不可欠です。
たとえば、レンズなら300mm~400mm以上は欲しいところですが、本格的に撮るなら600mm以上も視野に入ります。
しかし、そのレベルの「大砲」となってくると、中古でも目玉が飛び出るほど高い金額になりますので、私などは到底手がでません。
そんなわけで、私は人に格安で譲ってもらった300mm単焦点に、中古で買った1.4倍、あるいは2倍のテレコンをつけて撮影していました。
ちなみに、払った費用は3つ合わせて4万円程度。カメラをやっている人なら「激安じゃん!」と思うでしょうが、普通に考えるとそれでも高いですよね。そのあたりの金銭感覚がずれてくるのが鳥写真撮影の怖いところです。
で、300mmに1.4倍~2倍のテレコンを付ければかなりの高倍率で撮影できますが、その分絞り値(※)が高くなり、その分シャッタースピードを落とさないと画像が真っ暗になりかねません。
※別名F値。「f5.6」などの数値で表す。人間の目で言えば黒目の部分。絞り値が高いほど暗い画像になる。
しかし、シャッタースピードを落として動く鳥を撮ると、当然画像はブレブレになります。ヘタをすると千枚以上とっても全部ボツという悲しいことになりかねません。
そうなると、速いシャッターで撮影するためにはレンズの焦点を全く絞らない「絞り開放」状態に近い状態で、できるだけシャッタースピードを落とさずに撮る「明るい」レンズが欲しくなるのです。
といっても、そのような「明るい」レンズ、つまりF値が1.8だの2だのといったレンズになればなるほどバカ高い。極めようと思えばン十万円、いや、100万円単位の出費を余儀なくされ、もはや趣味の範疇を超えて家計が破産しかねません。
そんなわけで、そこまで機材にお金をかけられない私は泣く泣く鳥写真から手を引くことになりました。もちろん手持ちの機材で撮れる鳥は撮っていますが、それ以上は無理だと判断しました。
しかし撤退のタイミングを逸し、レンズ沼に首まで浸かっている愛好家はたくさんいます。老骨に鞭を打ち、アルバイトを増やしたという60~70代の方もたくさんいます。高くて明るいレンズの誘惑はそれほど強いのです。
まあ、そんなわけで、鳥写真を極めようとするほど散財するわけですが、実はレンズだけではありません。他にも散財の種はたくさんあります。次はそのあたりにも触れていこうと思っています。
カバー写真:筆者撮影