YuReeNaさんのプロデュース過程に思う、次第に感情移入させていく仕掛けづくり
株式会社ハートカンパニー所属のシンガーソングライター、YuReeNa(ゆりーな)さんのアルバム発売に関する詳細情報が発表されました。
「SUPER HUG!」 2022.08.24 Release
加えて本アルバムのリード曲MVが公開されました。
YuReeNa / 瓦礫のダリア officia music video
さらにアルバムリリース記念イベントが決定しました。
音楽熱想トークライブ「YuReeNaアルバム完成しました篇」SUPER HUG!全曲世界初公開!!
30席のみなので、行きたい方は早めにゲットしましょう!これを書いているいま現在(2022年7月2日17:00)はまだ空席あるようです。
YuReeNaさんってどんな人?
YuReeNaさんは長野県岡谷市出身のシンガーソングライターです。
ジャンルは良質なPOPS全般。
演奏は鍵盤を弾きながら歌う弾き語りスタイル。
4才のときにピアノと出会ったことが音楽との関わりの始まり。家に音楽が溢れている環境で育ち、母が弾いていたこともあってピアノに触れることは自然だったとのこと。現在の弾き語りスタイルは高校生の時、コードに自身の思いを乗せて歌ってみた体験に端を発するようです。
高校1年のとき塩尻に来たNHKのど自慢の地区大会にていきものがかりの「コイスルオトメ」を歌いグランプリを受賞。そのチャンピォン大会(東京・NHKホール)に出場した際に歌手の森公美子さんより「貴方はこれから楽しみです」と好評の言葉をいただいたことで「声を使って、歌で表現していく人になりたい」という思いが明確化。その後の高校生活で友人に自作の曲に乗せた歌をプレゼントしたところとても喜んでもらえたという原体験が背中を押し、本格的にシンガーソングライターへの道を歩み始めるきっかけとなりました。
高校卒業後すぐに上京した彼女は事務所に所属し、インディーズレーベルでアルバムを出し(2012年「Gloomy」)ライブ活動をするなど精力的に活動を開始。その後フリーとなり、自身でワンマンライブを企画したり(そのハコが今回の記念イベント会場である下北沢SEED SHIP)、当時のライブ動画配信サービス「Ustream」にて配信したりとアクティブに活動されました。
その後はタイアップやナレーション、楽曲提供の仕事も取れるようになり、活動の幅がより一層広がりました。特にアサヒグループのCMソング「ユメレッシャ」はYuReeNaさんの地元である長野県や隣県の山梨県で放映され、地域の方々に浸透しています。
「ユメレッシャ」
なお、この「ユメレッシャ」は2015年にリリースされたアルバム「Lovely」の中に収録されています。
YuReeNaさんの楽曲について(2022.7月3日追記)
私自身がYuReeNaさんの楽曲についてどう思っているかを書きます。と言ってもYouTubeにあがっている過去曲のMV(「ユメレッシャ」、「アタシハアタシノヒーロー」)、そして今回あげられた「瓦礫のダリア」くらいしか聴いていないので、適切な評になるか自信がないのですが…。
ひとことで言うと「熱量がダイレクトに伝わる音楽」だと感じています。
シンガーソングライターなので、作詞も作曲も自分です。すなわち自分の思い、想い、心にうつりゆくよしなしごと、感情の吐露、これらをすべて歌に込めて自らの歌唱で解き放つ。これは強いですよ。自分の主義主張=自分の音楽なのですから。強い。強くて熱い。そして、出来上がった楽曲に対してどこの誰にも言い訳ができない覚悟がそこにあります。だって作ってるのも歌ってるのも自分なのだから。
もう一度、「瓦礫のダリア」のPVを貼っておきます。
熱い。何度も言うけれど本当に熱い。
そして激しい。
ピアノの弾き語りっていうけれど、この人の弾き語りは激情を鍵盤に文字通り叩きつけるような、そんな前のめりなパワーを感じます。
この曲は8月発売のアルバム「SUPER HUG!」のリード曲なのだそうですが、他の曲も同様のテンションなのか気になります。
これが「SUPER HUG!」の言葉に込めた思いとのこと。聴いた方を歌で抱きしめてくれるのですって!当方もまだちゃんと彼女の思いを上手く言語化できないのですが、その熱量は伝わってきます。
気になった方はこのページの中にあるPVをどれかひとつでもタップ(またはクリック)してみてはいかがでしょうか。百見は一聞に如かず。音楽は聴いてみなきゃ分からないですよ。
YuReeNaさんとハートカンパニー
そんなYuReeNaさんがどうして主にアニメやゲーム関係の音楽を扱うハートカンパニーと繋がることになったのか。これについてはvoicy放送「音楽熱想」2022年1月31日放送にて同社代表の斎藤滋さんより次のように語られています。
相変わらず斎藤さんの「とあるなんとか」はヨクワカラナイ…。それはともかく、その謎プロジェクトにてハートカンパニーの斎藤さんとYuReeNaさんが出会い、YuReeNaさんはハートカンパニーの仮歌(リリースする曲のデモ音源に、仮で録音される歌のこと)の仕事を受けるようになります。
その間も自身で作詞・作曲し自らが歌った楽曲を斎藤さんに贈り続けたことが功を奏し、遂に斎藤さんの心を動かすことに成功します。その楽曲がこのタイトルです。
「アタシハアタシノヒーロー」
「この曲で自分の殻をブチ破りたくて書いた楽曲」とご本人が放送で仰っておりましたが、その熱量が伝わり、2021年3月からハートカンパニーに所属することになったのでした。
…と、ここまでYuReeNaさんの略歴を振り返ってまいりました。情報ソースは主にvoicy放送「音楽熱想」のアーカイブです。興味ある方はぜひ聴いてみてください。実に2022年1月26日~2月1日(第270~276回)に渡り1週間に渡ってYuReeNaさんの半生を紹介しております。
YuReeNaさんと音楽熱想
1週間に渡るYuReeNa熱想の後も彼女は番組に登場し、ほどなくして斎藤さんに代わり音楽熱想トークを行なうようになっていきます。後にこれが番組内の呼称で「YuReeNa回」と呼ばれるようになりました。現在の音楽熱想は曜日ごとにトーク担当者が変わる形となっているのですが、この流れを作ったのはYuReeNaさんだと言ってもいいでしょう。
そのYuReeNaさんは現在、火曜、木曜、日曜がレギュラーとなっており、なんとひとりで1週間のうち3日を担当しています。まるで売れっ子の芸能人みたいな扱いです。なるべくYuReeNaさんのアピール機会を増やしてあげようという斎藤さんの親心なのでしょう。きっと。
ここ最近はご自身のアルバムに関する制作メイキングのお話しがメインとなっております。タイトルから拾い読みしていくと、打ち合わせ、ジャケットイメージ考案、曲のREC(収録)、アルバムタイトル提出、ピアノREC、アルバムタイトル決定、ジャケ写制作、トラックダウン、ジャケット衣装探し、ジャケット撮影、MV撮影、曲順決め…etcといった工程をリアルな心境も交えて語る放送となっています。1枚のCDが世に出るまでにこんなにやることあるんだなぁ。いやはや、これぞまさに音楽の熱想です。
そしてついにアルバムタイトルとリード曲MVとリリースイベントが大決定!一気に発表されたのがこのnoteを書いている前日の7月1日(金)。解禁情報とともにその熱い想いをvoicy生放送で一気に語られました。
(2022.7/3、音楽熱想voicy生放送のアーカイブが公開されたのでここに追加します)
音楽熱想フェスin河口湖2022、YuReeNa 1st SOLO Live! 〜ウブゴエ〜
そして来たる2022年9月3日(土)、9月2日(日)の2日間、山梨県河口湖のほとりにある円形ホールにてYuReeNaさんの1stソロライブ「ウブゴエ」が行なわれます(なお前日の9月2日(金)に同会場で行なわれる音楽熱想トークライブ公開収録にもYuReeNaさんが登場します)。
会場の円形ホールとはこのように素敵な建物です。chitoseArkは9月3日(土)の方に行きます。現地でお会いできる方はよろしくお願いします。
なんと音楽熱想フェステーマソングの歌詞制作も
この音楽熱想フェスにおいて、YuReeNaさんはテーマソングの歌詞制作を担当されました。それも音楽熱想の会議生放送にてリスナーからモチーフとなる言葉やアイデアなどを募集し、それらをもとにご自身の感性で構築するという大役。ご本人にとってもプレッシャーだったことと思いますが、素敵な歌詞ができあがりました。
ここで直近のYuReeNaカレンダーまとめ
およそこのような予定となっているので、音楽熱想またはその前から応援している方も、この記事見て気になった方も、どうかお見逃し無きよう。
斎藤さんが仰っているように、最初は1回しかありません。
YuReeNaさんのプロデュース過程に思う、次第に感情移入させていく仕掛けづくり
いまから本稿で最も言いたいことをお話しします。
音楽熱想を通じてYuReeNaさんのプロデュース過程を見てきて、
「いやぁ、斎藤滋さんて上手いよなぁ」
って、つくづくそう思いました。
斎藤さんがYuReeNaさんのプロデュースについてご自身のブログで触れられたことがあるのですが、そこには次のように記されています。
斎藤さんがYuReeNaさんに対して行なったプロデュース手法は、いまから思えばまさにこの考えに基づいたものでした。
最初にご本人の生い立ちから丁寧に深掘りし、次にその日常を語らせ、自身の情熱を語らせる。そうして長い時間をかけて、YuReeNaさんという人間を少しずつ、少しずつリスナーに浸透させていく。
そこから彼女がいま取り組んでいる音楽の方向性にギアを入れ、気が付けばあれよあれよという間にアルバムの話、1stソロライブの話、そして音楽熱想フェスのテーマソングの話…とたたみ込むようなYuReeNaラッシュ!あれ?私そんなにこの人注目してたんだっけ?と我に返る間もなく、気が付けば音楽熱想にコメントし、ライブのチケットをポチり、アルバム購入予算を既に立てていたりする自分がいるというね…。
いや、YouTubeで聴いて普通に良い歌手だと思ってるので、そこについてはいいんですが、これはどうも斎藤さんマジックにすっかりやられちゃった感があるなぁと(ほめてるんですよ!めっちゃほめてるんですよ!!)。
音楽もゲームも書籍もそうなんですが。
自分が良いと思うものを人に勧めるのってめっちゃ難しいんですよ。
これをお読みの皆様も実感されていることと思います。
「あぁ、分かった今度見て(聴いて)みるわ」
って言って実行に移されることがほとんどゼロだということが。
それくらい人は他人が勧めてくることに対して関心がありません。
誰かになにかを手に取ってほしいとき「これ絶対いいから!」って言うだけなのは筋悪です。売れない営業マンです。
それじゃどうすればいいのか。次に良い手は「自分がそれに情熱を傾けている様を見てもらう」ことです(そして押し付けはしない)。これだと
「アイツがそんなに夢中になってるんならちょっと見てみようかな」
と、手に取ってもらえる確率が少しだけ上がります。これも斎藤さんが以前音楽熱想で言ってた方法ですよね。うわ、なにこの番組営業マンが聴いてもためになるじゃん!営業熱想としても最適だねっ!
そして今回YuReeNaさんに対して斎藤さんが用いた方法はこれの上をいっていたように思います。
それは番組のリスナーを巻き込んでしまうこと。
思えば「YuReeNaさんに放送聴いた感想を送ってあげてください」というようなことを仰った、あれが既に伏線だったのです。
そうしてYuReeNaさんの登場回数を次第に増やしていき、「YuReeNaさんのいる音楽熱想」という場を構築してしまう。いつも音楽熱想ラジオで投稿者にコメントを返してくれるYuReeNaさんは、いつしか斎藤さんと並ぶ同番組の顔になっておりました。
さらにvoicyの会議生放送。音楽熱想フェスの作詞というテーマについてみんなで考えよう!作詞はYuReeNaさんが担当します!皆様ご意見お寄せください!このようにYuReeNaさんに直接声を届けられる場を作ることで、参加者はあたかも自分がYuReeNaさんの創作にわずかながらも関わったかのような当事者意識が芽生えてしまうわけで。
かくして私たちは7月1日にMVが公開されるまでまだ1曲も聴いたことがないアルバムの購入やライブへの参加を既に決定しているという、よくよく冷静に考えてみたらとても奇妙な意思決定を自ら行なったわけです。
YuReeNaさんに関しては過去曲のPVなどがYouTubeなどで視聴できるとは言え、その判断を音楽的な価値だけで下したとは思いません。あのYuReeNaさんだから!あんなに情熱的で一生懸命で、いつもコメント拾ってくれるあのYuReeNaさんだから!この人の笑顔を見て声を聴きたいと思うからアルバムも買うしライブにも行くんですよ!!
はぁ、すっかり熱くなってしまいました。
でも、そのくらいご本人も熱いお方なんですよ。
いまの世の中、メジャー級から地元のカラオケ名人に至るまで星の数ほどの歌い手がいると思います。
その中で本当に優れたアーティストがいたとして、その人が翼を広げて空に飛び立てるか否かの可能性って「良い音楽プロデューサーに出会えるか」で決まる部分もあるんじゃないかなって。今回YuReeNaさんを見ててそんな風に思いました。
何事もそうですが出会い大事。
音楽はイントロ。出会いもそのフレーズのひとつですよね、斎藤さん?
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