SNS一般ユーザーも守るべき、ネットリテラシーの基本の基本
さて、先日、心理職向けのSNS倫理ガイドラインの私案を示したわけだが、心理職にも守って欲しいばかりか、一般の人もこれさえ守ればSNSライフが快適で安全になるというガイドラインの私案が思い浮かんだので以下に書いてみたい。
インターネット空間は、リアルワールドにほとんど影響を与えないと思い定めるべきである。
これはまことに「衝撃的な問題提起」であると思われる。
SNS上で得られる情報は貴重である。
しかし、いくらSNS上で政治や社会問題について論じても、リアルワールドの変革に結びつくものではないと思い定めるべきだと思う。
結局、リアルワールドでも確かな社会的な役割を果たし、発言力を行使できる人たちによって、世の中は動いているのである。
リアルワールドを変革したいのであれば、リアルワールドで何らかの具体的な動きをしていくしかない。
少なくとも現状では、SNS空間は、ネット空間でしか通用しない「小っちゃなプライド」を守り、保持するためのマウントの取り合いの場にとどまってはおるまいか。
相手が自分よりも才能的に、あるいは知的な蓄積、リアル社会での能力を持っていたり、(家庭を含む)現場でシビアな現実と格闘している「当事者」だと感じたら、素直にリスペクトを払うべきであり、「うらやましい」と思うべきである。
相手がこうした人であるかどうかは、多少SNS上で、その人のアカウントを追いかけていれば容易に察することができるはずである。
つまらないプライドなどは捨てよ。「我以外すべて我が師」(吉川英治)を座右の銘にすべきであり、相手を自分の土俵に引きずり降ろそうという「無敵の人」であろうとしても、実は何も得るものはない。
自分が相手のことを「ねたましい」と感じてはいないかを絶えず自己点検すべきであり、「ねたましい」を「うらやましい」と読み替える習慣をつけるだけで、その人は成長できるのだ。
相手へのリプに返事のリプがなかった時に、それを相手のこちらへの「敵意」や、こちらのことを「嫌っている」というふうに受け止めることをやめること。
相手が「スルーしてくれる」ということは、むしろネットスキルの上でかなりの冷静さを持った人物であるとみなすべきである。
まして、著名人やネット上のインフルエンサーは、すごく「忙しい」人たちなのであり、ひとりひとりの相手をしている暇はない、というくらいに思い定めるべきだろう。
むしろ、一般の人のリプにムキになって反論のリプを返してくるような著名人は、ものの見事に「メッキが剥げて」いるのであり、自己愛的な人間であるとみなし、「そうか、その程度の人間だったのか」と諦めてしまえば、その後、その人の本とかを買う費用が浮くわけである。
相手が理解してくれるまでリプの応酬をしたくなく誘惑に乗らないこと
自分は無名な人間なんだから、自分のことを誤解したままの人間がいたって(ましてやネット上の、最初は「通りすがり」である)、別に実害はない、それより共感しあえる仲間になれそうなアカウントを精選する方がいいのではないかということになる。
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・・・以上、これくらいのことをわきまえていれば、SNS上で炎上に巻き込まれたり、ストレスがたまり、傷つけられたと感じるれることはぐっと減るはずである。
試してみて欲しい。