「レッドクリフ」Part 2
Part 1の続き。
Part 2でいよいよ赤壁の戦いとなるわけだが、そこに至るまでがまだ少しかかる。
Part 2はPart 1以上に「演義」という原作から離れている展開が多い。
孫尚香(そもそも演義では赤壁の戦いではまだ出てきてはいないとすでに述べた)は独断で単身対岸の曹操の陣に一兵士に変装して潜入する。
そして伝書鳩を使って周瑜に敵陣の情報を伝え始める。
そうした中で、蹴鞠大会(ほとんどサッカーやん)で優勝して千人隊長に抜擢されたばかりの男と知り合い、互いに意識しあう関係となる。
南方の気候に不慣れな曹操軍では疫病が流行し、患者や死者が増えるが、曹操はそれらをみな無人の船に乗せて対岸の連合軍の陣に流してしまう。
それを回収した連合軍の陣にも患者が蔓延する。
劉備軍はそれを理由に夏口まで撤退するが、孔明のみが残る。
曹操の軍は蔡瑁、張允の進言で、船同士を鎖でつないでしまう。
孫尚香は千人隊長の肩車を借りて、船団の陣形を書き取る。
劉備軍は撤退の際に4000本の矢を持ち帰ってしまったので(これは演義にはなかったと思う)、呉軍の陣には6000本の矢しかない。
周瑜は孔明にその責任を取って3日後までに10万本の矢を調達するように求める。
この解決方法は、「演義」通りのおなじみの作戦である。
蔡瑁、張允は連合軍に内通していたが、周瑜側はそのことを曹操に意図的にバラしてしまい、2人は処刑される(「演義」では確か二人は実際には内通していなかったと記憶する)。
孫尚香は帰還、胴巻きに曹操軍の詳細な地図を書いてきていた。
曹操も呉軍側は火攻めで来ると予想していたが、風向きが逆風なので大丈夫とたかをくくっている。
曹操は夜の酒宴で高らかに自作の詩を吟じる(これは史実で、曹操は文人の才もあり、漢詩で非常に有名なものの一つである)。
だが、孔明は、雲の動きから、風向きが変わることを予見し、周瑜に伝える。
今度は小喬が曹操のもとに密航する。
曹操を茶でもてなす。
だが、その最中に風向きは変わる。
呉軍の艦隊は曹操軍に迫る。
ここからの水上戦は、双方が莫大な死者を出しながらの火攻めの応酬となる。
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・・・このへんで詳しいネタバレは止めるが、Part 1と異なり、戦いでの双方の犠牲が悲劇的なものとして描かれている。
最後に、孫権、周瑜、劉備、関羽、張飛らが戦いに直接参加、曹操と対決してしまうが、こういうのは大河ドラマ的で、現実にはあり得ないよなあ。
「最後の役割」は、「演義」的には関羽の独断なんだが、この映画では周瑜がやっている。
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船と船とのぶつかり合い、夜に燃える火の凄まじさは、CGではなく、莫大なものを灰にして撮影している筈である。
しかし、すでに述べたように、Part 1の最後の激闘シーンのようなカタルシス感より、戦いの悲惨さを訴えるものとなっている。
派手さという点では、Part 1の方があると思うし、最後の水上戦までの「溜め」が長いから、ひょっとしたら途中で一度寝てしまう人もあるかもしれないが、全2部通して5時間、豪華絢爛たる超大作であることには変わりがない。
基本的に、非常にハリウッド的な、国際的に通用する内容と映像であり、万人に楽しめると思う。