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京都錦天満宮「んのお守り」の強運御利益の即効性がスゴいのなんのって

「ウマに打って付けのお守りが京都にあるで」
「京都のドコに?」
「錦市場あるやん?」
「んー」
「錦天満宮あるやん?」
「んー」
「ソコにあんねん、んのお守り
「ん?」
。」
「は?」
、て書いてんねん。強運のお守りらしいで」
「ホンマやな、持って来いのお守りやんけ」
「やろぉ?」
「もともと強運の持ち主やのにサ、んのお守り持ったら何起こるやろ」
「最強やんな?運とカンで生きててタダでさえ強運やのに」
「運が強すぎても不幸になりそうやけどな」

私は運とカンだけで生きている女。
そしてこの時のカンが冴えていたことは、まだ知る由も無し。

「京都行くねやろ?ドコ行くん?」
「一番の目的は錦市場やけど、それ以外はまだ決めてない。ま、嵐山は行くと思うけど」
「それやったら阪急一日乗り放題で行ったら?」
「あ~あの悪名高い市バスも乗り放題になるヤツ?」
「バスのほうはもうなくなってん。阪急電車だけ乗り放題1300円やからお得やで。スマホ版しかないねん」
「スマホか~QRコードやろ?通れる改札1コしかないから物理チケットのほうがいいねけどな~」
「スマホしかやってへんねからしゃ~ないやん」
夫のお得な提案を受け入れ、改札が1コに限定されるQRコードのチケットを前夜に購入し翌朝、和服で京都へと向かった。

まずは京都人に愛されているシズヤの、

京カルネ他を朝食にして、

京カルネはいろいろコラボやってるんだね
受験シーズンなので「受カルネ」もあった

京都ならではの景色を楽しみ、

嵐山の渡月橋

京都でしか買えないお土産「おふき」を購入したり、電電宮という電気・電波の祖神にデータを守ってもらえるようお願いをしたり、

買い食いの寄り道もして、目的の「錦天満宮」へ。

んのお守りは黒と赤の2色展開。
「ボク黒にしよ~っと」
「んー…迷うな…どっちの色にしよかな…」
「2つとも買えば?」
「いるか?2つも」
「1つは誰かにあげてもいいやん、買っといたら?」
「そっか」
この2つ買うという行動が、強運即効性のポイント。

もともと運とカンだけで生きてる人間が、

「ん」の文字の周りにも「ん」と書いてる地模様

さらに強運に恵まれると、不運に見舞われることになる。

「ちょっと、スマホの画面が反応せぇへんねけど…」
改札の内側でQRコードが表示できずモタついて息子に助けを求める。
「1回再起動したほうがええな」
再起動してホーム画面が表示された途端、それまで元気いっぱいだった私のpixelが、突然死した。
「へ?!え?!急に?!えーーーーーーーーどうすんの?チケットは?」

昨夜登録したばかりのログイン情報をまだ記憶していたことが不幸中の幸いで、息子の端末でログインし、使えはしないが「チケットを買った証拠」は画面上で確認はできるので、スマホご臨終の説明と「チケットを買った証拠」を見せ、駅員さんに恩情を願う。

「本当についさっきまでは元気で…生きてる時はコレでバンバン電車に乗り降りしてたんですが…今しがた急に…ごらんのようにもう何しても息を吹き返さず…困ってますどうしたらいいですかね?」
なるべく同情を買うように、まるで大切な身内の訃報を告げるかのように、涙を流さんばかりに、気丈に振舞う。
「わかりました、ではこちらの改札をこのままお通りください。お連れ様はご自身のチケットで改札を出ていただいて。」

ガジェットオタクの息子にスマホを託し、ありとあらゆる対処法を試すも何の反応も示さないスマホ。
「なぁ?んのお守りの即効性がヤバない?めちゃ不幸なコト起こってんねけど?こんな急にスマホ死ぬことある?落としてもないし、ずーっと家に置いててたまに出掛けるくらいでほぼ使ってないも同然やのに、毎日ハードに使ってるアンタじゃなくて私のが壊れるて…充電60%あったからなァ…コト切れるキッカケもないねけど」
一応モバイルバッテリーに繋いでもみたが、反応は無い。

「ん~…今ちょっと調べてみてんけど…ウマの機種、文鎮化の報告あるなァ。急にスマホが死ぬこと文鎮化ていうねんけどな?電源ついてて画面表示されてないとかではなくて、もぅ電源入らんからなァ…電話もアプリも全滅」
「へ?!クイックペイもペイペイもダメやん…ま…夜ご飯くらいの現金はあるけど…はァ…困ったな…銀行のアプリと病院のアプリ再設定したばっかりやで?銀行アプリなんてやっとロック解除して新しいアプリに移行途中でまだ完了してないねんけど?!は?!アプリの引継ぎコードど~すんの?!来週テケトーと会うで?!LINEしか知らんけど?!うそやん…どうやってスマホ死んでること伝えたら…」
「帰ってPCでLINEにログイン出来る状態かどうかよな…再ログイン求められたらアウトやで」
「うわ~…ものすごい不運…」
「でもな…ワンチャン保証期間内で最新機種と交換、ていう可能性がある」
「うわ~!スゴい強運やん、だとしたら」
「保証期間内ならな」
「ん~~~…だいぶ前に買ったな…保証期間1年とかやろ?1年以上前やで」
「廉価版のめちゃめちゃスペック低いヤツがグレードアップ交換とかやったら強運やんな~すぐ御利益あったやん」
「即効で強運に恵まれるけど、一旦ものすごい不運に見舞われるな」
「代償もそれなりにあるんやな」

結果から書こう。
即効で「んのお守り」の強運に恵まれた私は、

2年8か月前に購入した廉価版pixelは41788円

保証期間はとうに過ぎているのだけどpixel7proに無償交換してもらえた。

交換品は124300円

「カメラ買うくらいならpixel買ってスマホ2台持ちしたらいいねん」というガジェオタ息子の助言のもとカメラとしてpixelを買ったが、交換用デバイスであるpixel7proは死んだpixelよりカメラ性能が遥かに良い。

「いいな~ぁ~ボクの使ってない端末と交換してや~超うらやまし~」
ガジェオタ息子はpixel7proを触りたくてしかたがない。
んのお守り2コ買ったらよかったのに。そしたら不運と引き換えに即効で手に入ってたで」
助言するチカラはあんのにね、運はつかめない男、惜しい。

錦天満宮の「んのお守り」は2コ買うと即日強運のご利益に与れる。
ただ、その前にものすごい不運に見舞われる。
がしかし、不幸中の幸いで急場は凌げる、なんせ強運だから。

「なぁ?マグセーフにしたからスマホ死んだんちゃう?」
「いいや、それはないで」
強運に恵まれたのが本当に「んのお守り」の御利益なのか。
その検証も怠らない私は、スマホ文鎮化の原因を探る。
「それやったらボクのiPhoneだって壊れるはずやん」
スマホカバーをカードケース付に買い替えようしたらガジェオタ息子が、ケースに貼り付けてMagsafe化するシールなるものが100均で売っているのでそれを貼り付けMagsafe対応カードケースを買って取り付けるというテがある、と助言するのでケースに貼り付けてMagsafe化したのがつい2週間ほど前のこと。

「私マグネットとの相性がもともと悪いねん、マグネット便利やな~おもてマグネット仕様に変えると、カードが使えなくなって再発行したりとか、今まで問題なく使えてた物が次々に壊れていくとかで、やっぱマグネットはやめとこてなってきた人生やねん…やっぱやめとくわマグセーフ」
「まァ…たまにそういう磁気系統に影響を及ぼす場合も無いとは言えんけど…マグネットが壊れる原因ならそもそもAppleがMagsafeを採用するわけがないからな」
いろいろ試した上で採用してるだろうからなAppleも。
そりゃ、マグネット単体で試したらそうかもしんないけど、それを持っている人間込みで試して欲しいトコはあるよね、人間は微量に電気を帯びててその電流には個体差があると思うのよ、もともとちょっと電流が狂ってるタイプだから私、運とカンだけで生きてる本能と直感の人間なんでね。
初対面の人と握手を交わそうとすると静電気の火花が散るんだよね、敵意は全く無いんだけどバチバチに。

「あのサ、聞くところによるとやから本当かどうかは知らんで?霊感の強い人たちがよく言う感想に電化製品が壊れるてのがあんねん。電化製品て一定のハズレがあるから壊れるのは仕方ないにしても、本当によく壊れてきたのね、中でも腕時計はちょいちょいズレて何回も時間合わす」
「だんだん遅れて動かなくなるとか?電池ちゃうん?」
「電池ちゃうで、交換した直後でもズレる。電池式じゃなくてゼンマイ式とかソーラー式とかにしてみたけど全部ズレる。遅れるだけじゃなくて、早まったりもする、全く違う時間指してることもある。本能で生きてると電化製品のハズレを引き易いねん」
保証期間内に壊れるんだよね電化製品てだいたい、だから無償交換で金銭的痛手になったりはしてないんだけど、ひどいと保証期間内に3回くらい壊れて「差額分は払うので別の商品に買い替えること出来ます?」と交渉することもあるし「この商品とどうも相性悪いみたいやからもう諦めます、返金でお願いします」と使用を断念することもある。

本能て文明と真逆の能力だからね、本能のチカラのほうが強いと文明をはじいてしまうのだよ。
車との相性も非常に悪い、乗り物なんて文明の塊やからね。
センサーとかもなかなか反応しない、便器の水は流れねぇし電気は消えるし手を洗いたいのに水は出て来ねぇ、自動ドアも開かねぇから3m手前くらいから両手を頭の上にスタンバイ、素早く動かして阿修羅もビックリの残像で何とかしてんだから。

電電宮で買ったデータを守るための情報安全護符ステッカーを貼る前にスマホが死んでいるので、

京都で撮った全ての写真データを失い、改札を通る度に「あのぅ~スマホが急死しまして…」とチケット購入の証拠を見せつつQRコードが出せない説明をする、もう今さら私には守りたい情報などない、データの全てがアクセス不可なのだから。

スマホが死ぬほんの数十分前、数名と共有しなければならない情報がありその大元の情報は私が発信する役目で、その情報に関するやりとりの補足は全て返信し終えていたので混乱を避ける事ができた、それも強運たる所以の不幸中の幸いであろう。

改札でスマホが死んでる説明を3回もやるとね、簡潔に15秒で説明できるスキルがつくねぇ「コレが購入の証拠でコッチはもう1人分のチケットですね、私のスマホは死んでコードが表示できない状況に陥ってます」もう手慣れたもんで。

最後、伊丹まで帰る際には緑色の紙がもらえた。
こんな便利な紙があるなら最初の説明の時にくれよ~、いちいち息子のスマホでログインしてチケット購入の証拠を見せてきたのに。

この紙があれば「購入の証拠」をわざわざ見せなくても、口頭説明だけで改札を出ることができる。

どんだけデジタルの時代になっても最終的に人間が頼りにするのは、やっぱ紙だね。

本能で生きてると人間は、神と紙のご利益に与ることができるのである。

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千徒馬丁
サポートをしていただいてもいただかなくても文章のクオリティは変わらない残念なお知らせをしますこと、本当に残念でなりません。 無料の記事しか公開しませんのでいつでもタダで読めます。 この世にはタダより怖いモノはないらしいので記事ジャンルはホラーてことで。