宮崎のスーパーセンター「トライアル」は海外スタイル
「寿屋行って来るけどなんかいる?」
「コトブキヤ?ドコ?」
「呑み屋抜けたらコストコみたいな店あるわ?あっこよ」
「コストコ?」
宮崎の甥との会話が噛み合わねぇ、過ごした時代が違うから。
「24時間起きてる店よ、駅前の」
「あ~トライアルね。なんでコトブキヤて言うと?」
「昔は寿屋ていうデパートやったから」
♪いらっしゃ~いませこ~んにちわ・あっなたの~街のコットブッキヤ・真心こもったサービスで・買い物上手なあ~なたのために・すってきな品を♪
この歌が諳んじられるアナタは九州の中年、片田舎のデパート「寿屋」を知る貴重な生き字引である。
たとえ日本の店の全てがイオンになったとしても人々は昔の名前を覚えているからしばらくは(もしくは一生)昔の名前で呼ぶ。
私の記憶ではイオンの前がサティ(一部マイカル)、その前がジャスコ、その前がニチイだけど、私はニチイ時代を知らなくて「ジャスコのことをニチイと呼ぶ世代がいる」ことでニチイを知る。
居抜きが繰り返される昨今では店舗名の世代間ギャップが山ほど生まれていることだろう。
孫との会話で店舗名が噛み合わなくなった頃にようやくジジババたちが今の店舗名を覚えるがジジババたちは今の店舗名はきっと使わない、ジジババたちの間の会話では今の店舗名では場所がピンと来ないからだ。
現在の居住地伊丹市の、JR駅前のイオンを私は「ダイシ」と呼んでいるが、もう今の伊丹の高校生あたりには通じないかもしれない。
昔は「ダイヤモンドシティテラス」というハイカラの詰め合わせみたいな名前やったんやで。
レトロ調でハイカラをまとった今聞くとちょいとダサい名前ていいよね。
ダイヤモンドでシティでテラスよ、高級感と都会感とオシャレ感の大渋滞。
私が寿屋と呼ぶ現「トライアル」は、17時には閉店する店がわんさかある眠るマチ宮崎で24時間営業をしてくれる有り難いスーパーセンターのチェーン店である。
スーパーセンターとは何ぞや、とお思いであろう「なんでも屋」だ。
何でも売ってる、食料・衣料・レジャー品・掃除用具・家具・家電。
魚のエサから人間のエサまで日用品から非日常品まで。
宮崎以外にも「トライアル」自体はある、関西にもある。
しかし宮崎の「トライアル」は毛色が違う。
陳列方法が海外、まさに日本のウォルマート。
海外の青空市場なんかでよく見る丸ごと積み上げる方式。
ハエとかたからせたいよね~ハエがたかるのは腐る前、果物がおいしいのは腐る前。
そして、大量に売るシステム。
キウイはバケツで売る。
きのこはまとめて、
きのこまつり。
梅は3キロ。
お見舞いの手土産もスーパーで調達できる。
そんなにいるのか、病人が。
1本でもお徳用サイズやのに何本詰めんねん、お得が過ぎると無駄になるで。
小麦粉もホットケーキミックスも大家族仕様。
こんなに消費できるものなのか。
宮崎ではこんなに一気にしばいとんのか、茶を。
「皆さんご承知の」という感覚で使ってるフレーズ「メガトラ盛り」
「まとめて買えばお得」という意味だろうが1個あたりの税込価格が表示されている。
いくらお得でも日持ちのしない食品は大量に買わないと思うのだが。
メガトラ盛りじゃない商品はサイズがデカい。
右が小サイズのマンゴープリンで既に普通のプリンよりデカいのに、さらに大サイズ(左)まである。
パック詰めされたケーキも売ってる。
一番小さいサイズのホールケーキより若干デカい。
サクッと開けてこのままスプーン突っ込んで平らげるアメリカンスタイルなのだろう、ウォルマートの商品だな。
バームクーヘンもメガ。
商品名よりも「名前強め」なのを強調したいのか、宮崎。
魚も丸ごと陳列。
もちろんデカい。
日本クオリティだと見た目の美しさが重要やからね、商品は傷つけないようにするんだけどね。
海外テイストでやっとるからね宮崎は売り物でも、折るで。
味で勝負しとんねん、折っても味は一緒やからな。
見た目は気にすんな、どうせ折って味噌汁に入れんねんから。
宮崎に来たらまず片っ端から「トライアル」に入って店内一周していただいてね「あ~ココは海外なんだな~ニッポンの常識は通用しないんだね~気を付けよう気を付けよう」と思ってくださいね。
皆さんが海外の空港で感じることを宮崎の「トライアル」で感じてから宮崎の旅を始めると、その後のショーゲキにヤラレなくて済みますのでね。
詐欺に遭わない海外なんですよ、宮崎は。