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愛するひとが大切にしているものを、大切にできない

直接的な差別を受けたり偏見の眼差しを向けられた経験は、実のところ14歳以降ほぼないと言って等しい。良妻賢母育成学校のお嬢様女子校を退学して自由な校風の共学校へと転校してからは日本名を使用していたし、その学校は規定の制服がなかったのでセクシュアリティで困ることもなかった。

だからあのとき、咄嗟に反応できなかったのだ。10年以上ぶりにぶつけられた偏見を、いまもぼくは飲み下すことができない。

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3,582字
ぼくの地下室にも、あなたの地下室にも、理不尽に傷つけられて息も絶え絶えになった猫がいると思う。その猫たちを一緒に拾い上げ、慰撫する場所になったらいい。

地下室の猫を拾い、ほこりを払ってブラッシングして、頬ずりしたりお腹に顔を埋めて匂いを嗅いだりする文章たち。

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