📖この本で学んだつ９のこと。没頭力　吉田尚記（２９１７字）

①没頭とは、ポジティブ心理学の一部

全米心理学会会長、マーティンセリグマンと言う心理学者が提唱した新しい学問分野。
そこで彼は人間が幸福を感じるための要素は「快楽」、「意味」、「没頭」であると定義した。

「快楽」はポジティブ感情。心地良いと感じること。
最高の女とベッドでドンペリ的な生き方で「快楽」を得て、簡単にポジティブな感情は得られるか。それには慣れが生じるので最初に感じた楽しさは長続きしないと言う特徴がある。

意味は言い換えれば、有意義な人生を送るということ、何か自分よりも大きな存在に属して使えることとされている。
人から認められることとか、それこそ受験とか。

「没頭」はどういうことかと言うと時間を忘れてしまう位の強烈な集中状態にあること。
あっという間に時間が過ぎていて、終わった後にスッキリしている。

②チクセントミハイのフロー＝没頭

目標が明確で迅速なフィードバックがあり、そしてスキルとチャレンジのバランスが取れたギリギリのところで活動している時、我々の意義は変わり始める。
そこでは集中が焦点を結び、散漫さは消滅し、時の経過と自我の感覚を失う。
そのかわり、我々は行動をコントロールできていると言う感覚を得、世界に全面的に一体化していると言う感じる。この体験特別な状態をフローと言うことにした。

没頭できる人の方ができない人よりも、幸福度が高い。
没頭は、人間の幸福度を高めてくれる

③２万個の好きがあればいい

映画評論家の淀川長治さんは、生涯に大体20,000本位の映画を見たと言っている。有村さんは41歳で1万本位見ている。つまり人生をずっと幸せに過ごすということは、人生を20,000個好きなことで埋め尽くすということ。

④没頭するための条件

１、ゴールとルールがはっきりしていてフィードバックが早いこと。
例えばサッカーや野球などスポーツを例にとるとわかりやすい。
その場におけるルールが明確に決まっていて、相手より1点でも多く点を取れば良いと言う。
ゴールもはっきりしている。
そして今取った行動は、どのように状況に影響するのかがすぐにわかる。パスミスした瞬間に「しまった」って思うし、逆にパスが通ればヨッシャーと思う。
料理もそう。フロー体験入門によると、それらには行動のための目標とルールがあり、プレイヤーが何をするべきかどうやってするべきかを疑問に思うことなく行動することを可能にするから。

２、目の前のこと100%集中していること

３、無意識に体動かしていること
楽器の演奏の習い始めの頃は「ここを抑えると音が出て、こう指を動かすとこうなるから」というに考えながら、演奏してるのが上手くなってくると、いつの間にか無意識で演奏できるようになる。それが活動と意識の融合

４、自分と言うものをなくしていること
没頭している瞬間は、自分と言うものをなくしている。
フロー中の自分の状態を表現する言葉がないから楽しみになる感じがする

５、時間の感覚がなくなっていること
あーもうこんなに時間経っちゃったって言う経験行列はフローの条件を全く満たしていないから長く感じる。

６、その場の状況を自分でコントロールできていること
行列は完全に自分でコントロールできていないから、長く感じる。
没頭においてこの要素が1番重要。
受け身の行動はフロー体験を導かない。
だからテレビをダラダラ見てしまうのは没頭じゃない。
で映画評論家の淀川さんにとってなぜ没頭できていたのかと言うと評論家として見ていたから。
つまりどんなにつまらない映画でもどういう風に解釈すれば面白さが得られるだろう。それをどう伝えられるだろうって言うように主体性を持って関わることができる。責任を持つと人生が楽しくなるのはこれ。

７、その行動自体が目的になっていること
例えばボールを触るのが楽しいざらざらをつるつるするのが楽しい。
テトリスを作った人は、「テトリスはゲームではない。人間はちょっとずつと違う刺激を与えると延々と同じことをやり続けたと言う実験のために作った」という。

⑤没頭条件における３つの条件

・ゴールとルールがはっきりしていてフィードバックが早いこと
成功が失敗か、一発で分かることには没頭しやすい。結果が得られるまでのスパンを短くする

・その場の状況を自分でコントロールできていること
フィードバックが早いものには没頭しやすい。その場の状況を自分でコントロールできている。

・自分の持っているスキルと行為のバランスが取れていること
すごく簡単な行為は退屈してしまって深い没頭は訪れない。
反対に自分のスキルと比べて難しい行為にチャレンジしても、不安が勝ちすぎて夢中になれない。没頭するためには4%難しいことをやらなければいけない。

⑥没頭しやすくなる条件

自分なりのルールを決める。

結果が得られるまでのスパンを短くする。

自分のスキルより4%難しいことに挑戦する。

⑦希望も1つの感情
ハーバード大学で人間の感情を研究している人たちによると、感情というのは喜怒哀楽だけではなく、全部で12種類に分けられる。
そして、その分類で行くと希望と言うものも感情になる。
12個の感情の中で希望だけが持っている面白い特徴が1つある。それは希望と言う感情は絶望の後にしか現れない

⑦没頭するためのスリーステップ
１、まずはストレスをかける(交感神経を働かせる）

２、次に一気にリラックス(副交感神経を働かせる）

３、目の前のやるべき行為に集中する。

つまり没頭するために不安が不可欠という事は漠然とした不安があるという人は没頭するための局面では既にちょっと勝ち組。

昨日仕事で久しぶりに溶接することになって、最初はどうしようと不安だったけど、やってしまえと開き直ってやったらさくっと終わった。これは見事に没頭のステップを踏んでいる。

⑧モチベーションナールインタビュー

人はやれと言われてもやらないけど、かといって、やるなと言ったらやるわけでもない。
だから説得は無意味だし、議論も無意味。
じゃあどうするかと言うと、とにかく相手をしゃべらせる。
そしてプラスの言葉が出てきたら、頷いてマイナスの言葉はスルーと言う反応を繰り返す。
そうすると次第に本人の中に眠っているプラスのモチベーションの言葉が出てくるので、その断片をは拾い上げてプラスの部分を強化していく。

⑨固定型マインドセットと成長型マインドセット

人間には固定型マインドセットの人と成長型マインドセットの人がいる。
「人は、もった能力で全てが規定されていて、それは変えられない」と思っている人が固定型のマインドセット、
一方、「生まれ持った能力は、やる気や努力の伸ばしていける」と考える人が成長型のマインドセット。
だから、成長型マインドセットの人は何かあったら自分も「ああなっていたかもしれないね：と言う想像ができる。「すごい人は天才だから自分とは違う」とレッテルを貼ってしまわない。自分とは関係ないと思わない。そうすると自分の現在の能力がどれぐらいでどうすればそれを伸ばせるかと言うことを認識できる。
けれど、固定型マインドセットの人は自分は程度と決めつけてしまっているから、自分の能力は正確に見極めようとしない。