Rock Novel 「シンデレラ物語」ウヰスキーコーク
お前の命日だな、ジェフ 今日は一緒に
飲もうな、お前が好きだったウヰスキーコーク
で一晩明かそう。
覚えているかい?グラスゴーの夜を?
あのPubを?
「グラスゴーで1番上等のスコッチウヰスキーを
くれ!」
「ああ、シングル?ダブル?」
「コークで割って!」
「あんたがた、アメ公に飲ませる
シングルモルトはここスコットランドには
無いよ!
何でもコーラで割りたがる。最低な飲み方
だな。」
「つべこべ言わずに出せばいいんだよ❗️」
「ジェフ、失礼だぞ、郷に入れば郷に従えってこと。」
「いい事言うじゃねーか。こっちの兄さんは。」
「すまないね、じゃ、ダブルで2つこっちに
ください。」
「あんたは物分かりがちーとは
良さそうだね!女みたいな可愛い顔して
仕事は? 女装する、ドラッグクイーン?」
「トム兄貴を馬鹿にするな!」
(ウヰスキーをバーテンダー氏に
浴びせる、ジェフ)
「このヤロ〜何するんだ!」
「スコッチシャワー🚿だ!
ざま〜みろ〜!」
「ジェフやめろ〜。」
「だって、トムこの店余りに失礼じゃ
ないのか?」
「こういう歓迎の仕方の店もあるんだよ、客も
俺たちの反応を楽しんでるんだ、ほら周りを
良く見てみろよ!
これもこの店のショーの内だよ。新参者は
試されるって事さ。」
「兄さん達、こっちで一緒に飲まないかい?
ウヰスキーコークとやら奢らせてくれ、
店主のパトリックは頑固者だけど
嘘がつけない、いい奴なんだよ。化粧してる
綺麗なあんた達見て驚いたんだろうな。」
「パトリック、ウヰスキーコーク
3つ、いや4つくれ!お前も一杯やれ!」
「分かったよ。コリン!馴染みのお前さんには
頭が上がらんからな。」
「コリンさんって、仰るんですか?
僕はトムでこいつはジェフ。フィラデルフィア
から来ました。」
「ああ、この街の一応市長してます。
あんた達は?何しにここへ?」
「明日、コンサートを隣のエジンバラで
するんです、飛行機でさっき✈️グラスゴーに
着いて、スコッチ折角だから飲みに
行こうって!」
「コンサートを? エジンバラで
ベーシティローラズ見たいな?」
「ちょっと違うけど、ロックンロール
バンドって事では同じかな?」
「トム兄貴 俺、ローラーズと一緒に
されたくないよ。」
「いいじゃないか、僕はモンキーズだって
ローラーズだって好きだよ。」
「じゃ、あんた達の曲一つ今晩は
披露してくれないかい? パトリックは
いいギター🎸持ってるんだよ、その昔はね
奴もビートルズにかぶれててね、リバプールに
家出した事もあったんだよ、俺がね
あいつの両親に頼まれて探しに行ってさ。
だからパトリックは俺に逆らえんのさ!」
「そうだったんですか?」
「パトリック、ギター🎸を貸してくれ。」
「あんた達のバンド名は?」
「シンデレラです。」
「え!どんな音楽やってんの?
そんな、やわな名前で?」
「ま、見ててくださいよ。やわかどうか!」
「『In From Outside』♬シンデレラの
ブギーを今夜は披露するぜ!」
「わー、トムの声、ジェフのギター🎸
凄いな、コリンこいつら本物だな。」
「パトリック、じゃ、例の20年ものの
スコッチ出してやれよ。シンデレラ君に!」
「さっきは、悪かったな!ジェフとやら。
こっちで乾杯🍻しよう。俺も昔
ギターをやってたんだよ。」
「ありがとうございます。パトリックさん。」
「明日のシンデレラのショーの成功を
祈ってトムとジェフに乾杯!」
「コーラ抜きで乾杯!」
(大笑い)
The End
1988年 スコットランド グラスゴーにて
ジェフ ラバー (25歳)
トム キーファー (27歳)