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Rock Novel 「シンデレラ物語」Coming Home

「や、トム遠い所来てくれてありがとうな!」

「ジーン、とんでもない呼んでくれてありがとう
ございます。」

「懐かしいな、1983年だったかな?
俺のNYのペントハウス来てくれたのは。」

「記憶がいいですね、相変わらず。」

「俺、もう71歳よ! あんたは幾つになったんだい?」

「60です。信じられないけど。でもどうして
急にハウスウォーミング パーティーに招待
してくれたんですか?」

「ああ。数ヶ月前にさ、ビバリーヒルズから
このラスベガス郊外に越して来てね、
よく行くカフェ☕️が近所にあるんだけど、
そこでさ、あんたのソロアルバム貰ったん
だよ!」

「え、そのカフェで?」

「そうなんだよ、日本人の女性でシンデレラの
ファンのね。何でも最近Youtubeでシンデレラの
例のモスクワのショー見てトムの声に惚れちゃった
らしんだよ。それでさ、『シンデレラ最初に見つけてくれてありがとう』って言ってたぞ。『Rise』
あんたのソロアルバムくれたよ。」

「そうなんですね、それで思い出して
くれたんですか?」

「ああ、あの時はポリグラムと契約させて
あげれなくて悪かったな。でもジョン ボンジョビ
とツアーできて良かったな!日本にも直ぐ行けて」

「声掛けて頂けて、どんなに励みになったか
ありがとうございます♪」

「その日本人の子、91年から全然トムが
日本公演してないからどうにかして〜って
俺に言ってな!」

「行きたいのは山々ですが声が掛からないし
2017年の日本でのメタルフェスも直前で
キャンセルになってしまったし、日本無視
してるわけではないんですよ。」

「そうか、俺は日本大好きで、今日本語も
その彼女から習ってるんだよ!」

「オゲンキデスカ?ドウモアリガトウ!
オハヨー!」

「お、話せるじゃん! アナタ ハ キレイ!
アナタ ハ サイコー!」

「?」

「You are beautiful! You are the best!」

「え、ジーン、オレ?! 口説いてんの?」

(大笑い)

「おまえ、化粧して綺麗だったよね。
オレの女房、シャロンが気に入ってな、
ちょっかい出してたもんなぁ。あの時は内縁だった
けどさ、2011年に結婚して、オレも今は
首輪付けられてるんだよ。トムは再婚してどう?」

「首輪付けてオレもそろそろ20年ですよ。」

「そっか、上手くやってるんだな。」

「ええ、息子も18歳で、野球の選手
目指してます。」

「そっか、そりゃ頼もしいな。
ツアーは?」

「これから、ヨーロッパの夏フェスに
でます。ジーンは?」

「キッスは全米ツアー8月から再開するよ。いつか
日本で一緒にフェスティバルに出ようや!
その時は声掛けるから。ソロのアルバム
良かったよ。声が復活して良かったな。」

「はい、いいボイストレーナーに出会えて
運が良かったです。」

「あ、この人 ソルトちゃん!さっき言ってた
日本人のあんたのアルバムくれた人!」

「や、初めまして!ジーンにアルバム渡して
くれたそうですね。ありがとう〜!」

「こんにちは!絶対ジーンさんと日本来て下さいね!」

「ええ、行きますよ、あなたが日本語教えて
くれたら!」

「Tom、You are the best!」

「No, No. アナタ ハ サイコー!ジーンに
教えてもらったよ。」

「We are the best!」

(大笑い) 

2021年夏ラスベガス
トム キーファー 60歳
ジーン シモンズ 71歳
ソルト      57歳

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