Rock Novel「シンデレラ物語」アニバーサリー
「トントントントン」
(誰かしら、こんな夜遅くに?)
「びっくりした‼️ あなた、トム?」
「サプライズ!」
「そんな裏のキッチン窓叩くから物取りかと
思ったわ。」
「盗っ人がわざわざノックするかい?」
(笑😆)
「覚えてくれてたのね、アニバーサリー!」
「ああ、君と出会ってきっかり10年目だろ今夜がさ。」
「うん、ニュージャージーのクラブで歌ってた
あなたをあの晩一目見た時に雷⚡︎に打たれた!
あの時は驚いたわ、会うのは中学校以来だった
から。」
「ああ、そうだったね!って言いたいんだけど
俺あんまり覚えてないんだよ、あの晩の事は。
君はすっかり変わっちゃってて、俺酔ってて
分かんなかったし。」
「そうよね、子どもの頃、私はそばかすだらけの眼鏡かけてる本の虫だったし。」
「俺は勉強嫌いなおとなしいギター🎸オタクのガキだったし!」
「今、シンデレラ、ヨーロッパ
ツアー中じゃなかったっけ?」
「丁度、ロンドン郊外のフェスが
例の湾岸戦争の影響で中止になったんだよ。
で、急遽アメリカ軍のチャーター機に
乗り込んで今ここに居るわけさ。」
「あら、残念😢だったわね。まさか、
ツアー中止になるなんて。ドイツのシンデレラ城
でイベントあるんじゃなかった?あれには
私も飛んで行こうかなって思ってたのに。」
「でも奇跡だと思わないかい?
戦争のお陰でこうやって、2人で
ゆっくり出来るってさ?久しぶりだよな。
この一年半ツアーに明け暮れてて
君はニューヨーク🗽でジュエリー💎の学校があるから一緒に来てくれなかったしさ。」
「ごめんなさいね。でも私も何か夢中になれるもの欲しかったの、子どもも出来そうにないし、
あなたみたいに歌やギター🎸できる訳でもないしなんだか、虚しくて。来年私も30よー。」
「いいんだよ、君の夢ジュエリーデザイナー
になる事だったんだから。シンデレラの成功で
学費も賄ってあげられるし、夫として
こんな嬉しい事はないさ。」
「後はあなたとのベイビー👶さえ授かれば
言う事ないのにね、ニュージャージーに
こんな大きな家があるのに。
手持ち無沙汰だわ。」
「あのさ、じゃこの立派なキッチンでさ
君のバジル🌿トマト🍅スープと
グリルドハムチーズ🧀サンド今夜は
食べたいんだけどなぁ〜!
どんな高級店のグルメよりあれがツアー中1番恋しいよ。」
「あなたってお安く出来てるわよね〜
あの晩あなたの小さなアパートのキッチンでやっぱりこれ作ってあげたのよ。あなたって何も
変わってない。」
「マネージャーにもそう皮肉を言われてるよ。
『こんな素敵な家に住んで、スポーツカーも
ビンテージギター🎸も沢山地下の
スタジオにあるのになぁ、トムはステージ降りたら普通の兄ちゃん過ぎるぞ!』
って!」
「あなたもあのニュージャージーのクラブで
誘ってくれたボンジョビみたいになれよ!
って事かしら?ラリーが言いたいのは?」
「うん、俺ジョンみたいに浮いた話も
ないしさ、モトリーみたいに酒だドラックだって
言うゴシップもないしね。隠してるの、ボーカル
としては、喉を大切にしないといけないのに
ヘヴィ スモーカーって事ぐらいだしね。」
「そんなの今時中学生だって、たばこ🚬
吸ってるものね。あ、一つある
トム キーファー はノーパンでステージに
立ってます!これどうかしら?ゴシップ!」
「あのさ、アクセルみたいにタータンの
スカートでノーパンなら面白い🤣けどさ、
俺の場合、皮のズボンの下は何も履いてない
って事だけだからね。」
「ハハハ😆 何か他にゴシップってね?隠し子発覚!トムに似た少年を探して。」
「ないない〜 俺のユニークなくちびる👄に
似た子はいないよ!」
「ミック ジャガーの隠し子かステーヴゥン
タイラーの子だったらあなたにきっと
似てる😛わ。」
「ハハハ〜そりゃいいや!」
「隠し子ちゃんもトマト🍅スープが
大好きで❤️血は争えませんね!って言う記事?」
「😩😢えーん。」
「エミリーどうした? 急に?」
「どうして私達にコウノトリは来ないの?トムにそっくりなボーやにもトマトスープやサンドイッチ作ってあげたいのに。」
「こればっかりはお金💰がいくらあってもね!
神様って平等だよなぁ、どんな貧しい人にも
恵の雨を降らせて赤ん坊🤱も授けて下さるん
だ。祈るしか🙏ないだろう!」
「私達に赤ちゃんを今夜授ける為に
神様わざわざ戦争を起こしたのかしらね?
あなた今ノーパンよね!私もバスローブ
一枚よ!」
「アーメン」
「アーメン」
The End
1991年1月湾岸戦争勃発数日後に終焉
シンデレラのヨーロッパ 「ハートブレイク
ステーション公演」中止に追い込まれる
トム キーファー (30歳)
エミリー キーファー (29歳)