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Rock Novel「シンデレラ物語」シナモンロール 4

1998年 SONYとの契約の下 日本を
訪れたトム と エミリー

トム キーファー  37歳
エミリー 圭子 ジョンソン 34歳


「トム、シンデレラとクイーンの
共通点なーんだ?」

「?エミリー何かナゾナゾ?」

「黒髪が3人で金髪頭が1人!」

「あ、ほんとだ。それとバンドの名前が
女性名詞!」

「あ、そうね。」

「実はさ、エリックとバンド名考えてる
時にさ、キッスとクイーンは意識したんだよ。」

「そうなんのね。シンデレラ以外は
考えなかったの?プリンセスとか?
マーメイドとか?」

「それもよかったかもな。」

「反対にクイーンがシンデレラって
名前で世に出てたら売れてたかしら?」

「どうかな?俺たちがクイーンて言う
バンド名だったら?」

「ハハハ〜やっぱりシンデレラで良かったん
じゃない?」

「だろう?」

「でもよくディズニー社がオッケーって
言ったわね。」

「それはデビューする前に弁護士を
通じてさ、確認したら
ディズニーの方は問題ないって
事だったんだ。」

「そうなのね、で今日ホテルでの
日本のロック雑誌のインタビュー
どうだった?」

「うーん、なんか思った事がまとまらなくてさ
あんまりパッとしなかったんだよ。」

「どうして?」

「インタビューの相手も
『シンデレラどうして1994年に消えちゃったんだい?もっと期待してたんだよ〜』って
感じだったから、、、」

「そうだったの、期待って言われてもね〜
困るわよね。シンデレラだってさ、
マーキュリーレコードから突然切られて、
パニックだった訳でしょ?」

「ああ、お先真っ暗〜さ、随分レコード会社
恨んださ。あんなに儲けさせてやったのに!
ってね。お陰でバンドは空中分解で、
家族同様だったのに。オマケにワイフまで
金の切れ目が縁の切れ目でさ。死にたくなった
よ。全く!」

「でもよくここまで、立ち直ったわよね?
聞かせてよ。その経過を!」

「うん、そうね〜 4枚目のアルバム
『Still Climbing』が思ってたより売れなくて
1994年に契約切られて1996年にワイフが
ニュージャージーの家出ていってしまったん
だ。それもクリスマスの前日にね。
新しい彼氏と過ごしたかったんだろうね。」

「ま!そんな〜」

「ああ、猫4匹飼ってたんだよ〜
その子達も一緒に連れて行ったよ。」

「言葉も無いわ〜。」

「ジャックダニエル抱いて寝てたね。」

「そうなっちゃうわよね。」

「そしたら、フィラデルフィアの姉貴から
ママが胸の癌で数ヶ月の
命だって電話があってね、『アメージング
グレース』を録音して欲しいって頼まれてさ。」

「辛かったわね。」

「その頃、ナッシュビルに越してた
フレッド(シンデレラのドラマー)が
スタジオ持ってたから、飛んでさ
録音したんだよ。」

「それがナッシュビルに越すきっかけに
なったのね!」

「そうなんだ。それで救われたかな。
ちょっとずつ、レコード会社や元ワイフへの
恨みも音楽にして、吐き出して、
フレッドからスタジオミュージシャンの
仕事貰ったり、ウエディングでギター🎸
弾く仕事したりで、食い繋いでいたんだ。」

「でもよく引っ越し出来たわね!」

「うん、その時さ辛かったのは
俺だけじゃなくて、ギターの相棒の
ジェフもベースのエリックもさ、
離婚して苦しんでてさ、ジェフは故郷の
フィラデルフィアでピザ屋したり、
音楽以外の事で食ってたよ。」

「フレッドさんて、フットワーク軽いわね。」

「あいつんちはさ、金持ちでぼんぼんだから
コネクション作るのが上手いんだよね、
レバノン人で、いい音楽学校出てるから
クラッシクのきちんとした教育受けてるん
だ。ジュリアーノ音学院もパスしてたんだよ。
でもそれ蹴ってオージーの雇われドラマーに
なって、その後シンデレラのオーディション
受けに来たんだ。」

「わー凄いのね!でも最初の2枚のシンデレラの
アルバムはフレッドが叩いてないんでしょ?」

「ああ、まだ19歳だったフレッドは
プロジューサーのアンディ ジョーンズの
耳には🦻未熟な音だったんだよ。で、
コージー  パウエルに頼んだんだ。
3枚目になってやっとフレッドが叩いてる
けど。」

「長ーい道のりで、そんな年下のフレッドに
後に救われるって不思議ね。」

「ああ、ほんとバンドやるってそう言う事
なんだなぁって思い知らされた気がする。」

「よく、プライド捨てて、フレッドの誘いに
ついて来たわね。」

「もうさ、プライドも何もそこにすがる
しかなかったよ。きっとナッシュビルに
行けばさ、道が開けるって信じてさ。
他のメンバーも全員ナッシュビルに
それで越してた来たんだ。」

「それが良かったのね。」

「ああ、エミリー君にも出会えたしね!
って言うか、これいいインタビューだね。
君がインタビューアーだったらなぁ〜
今日のロック雑誌のさ〜。」

「ちょっと日本の雑誌社に雇って
もらおうかしら、私英語も日本語も
オッケーだしね。日本語書く方がイマイチだけどね。」

「ああ、君を紹介するよ、ML社にさ。」

「ありがとう〜でも自分で応募するわ。」

「いやいや、コネは使うものだよ。
フレッドから教わったよ。
これもチャンスさ。立ってる物は
親でも使えってね。他のモノも
立っちゃった〜!」

「ちょっと〜まだ昼間なんですけどー❗️」

「ダメ?」

「だーめ❗️でも冗談言える位🤭トムが
元気になってよかったわ!」

(大笑い)

The End

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