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Rock Novel 「シンデレラ物語」幻のBigfoot!

1987年 夏
シンデレラ初来日
幻のインタビュー


「トムさん、お食事にはうるさい方ですか?
最近ご結婚なさって、奥様の手作り料理は
いかがですか?」

「僕は家内の作ってくれた物は文句
言わずに、黙々と猫達みたいに静かに
食べますよ。」

「猫たち?(大笑い)」

「そんなに可笑しい?4匹も飼ってるんです。」

「4匹?でも図体のデカイあなたが
ぺろぺろと猫の🐱様に、物も言わずにお皿から
直接食べてる所想像したら、可笑しくって!
失礼しました。」

「ああ、いいよ。僕はステージ以外は
すっごく静かで、ボーッと音楽の事しか
考えてない様な男だからね。高校生の時の
あだ名は『仙人』なんだ。」

「仙人?あの山に居る、ご老人?」

「うん、殆どクラスでは喋んなかったからね。
って言うか授業中は寝てたしね。すでに
クラブのギグが忙しくってね、学校行けない
日も多かったし、幻の男って言われてたな。」

「幻の仙人男! ビッグフットみたい!」

「あ、君よく知ってるね!コロラドの山に居る
幻の猿人ビッグフット、
確かに僕の足は大きいし!そのあだ名も
いいね。」

「シンデレラとビッグフットと仙人って
何か共通点あるのかしら?」

「やっぱり、『幻』って事じゃないかな?」

「なるほどね〜繋がりますね。」

「シンデレラも幻を見ていたのかしらね?」

「この僕達の日本での成功が『幻』じゃない事を
祈っていてくださいよ!」

「でも、昨日のあなたのステージ凄かったわ!
エネルギッシュで!妖艶で!幽玄で!
トムはギターを持ったジャニス ジョップリン
みたいだった。
でも今日会ってみて、4人ともシンデレラのメンバー
は写真撮影でも、すっごく大人しくてうちの
カメラマンも驚いてたのよ。」

「すいません。もう僕達毎晩ステージで
エネルギー使い果たしてるから、
インタビューで宣伝する気力が無いんだ。」

「ホント、昨日のステージが幻の様で、
今日は火が消え🔥たような、佇まいね。」

「また!『幻』?」

「どうか『幻のロックスター』には
ならないで下さいね。伝説のロックスターなら
いいけれど。」

「幻にも伝説にもなりたくないなぁ〜。
等身大のロックンローラーでいたいだけさ!」


「いいですね!等身大のって。
トムは182cmもあるから、等身大の
Bigfootですよ。」

「うん、山から降りて来てステージに
よじ登るBigfoot!」

「じゃ、明日の中野サンプラザの追加公演の
ステージ頑張って下さい。」

『サルも木から落ちる』にならない様に
祈っていてね!僕のこと。」

「ええ、『Bigfootもtanisoko ni  korogaru 』にならない様に祈ります🤞
今日はお疲れの所ありがとうございました。」

「Sayoonara  Doo Mo Arigatoo!」

The End

P.S
アンコールのジャンピング ジャック フラッシュ
で僕、マイク🎤持ったまま転けちゃったんだよ。
最後ストーンズのナンバーでカッコ良く
きめたかったのにね(笑)
日本の諺「サルも木から落ちる」が当たっちゃたよ。

トム キーファー  (26歳)シンデレラ
地塩 礼     (23歳)インタビューアー

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