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Rock Novel「シンデレラ物語」プラトニック💓ラヴ

「信じて貰えないだろうけど、サヴァンナと僕は
プラトニックなんだよ。」

「それが始末に負えないのよ!」

「何よ〜この『❤️‍🩹ハートブレイク ステーション』
って曲は!」

「別れた晩のことだよ。彼女はメンフィスの
ホテルからいつの間にか消えてたからね。
電車で帰ったかは分かんないけどさ。」

「だから忘れられないわけ?
さっさとどうにかなってsayonaraでいいじゃない?」

「僕がそう言うの苦手なのは、エミリー
君が一番良く知ってる筈だろう?」

「そうね、一穴主義の堅物さん!」

「あなたの心はもうそっちって事じゃない!」

「電話番号だって知らないんだから、
もう会うわけじゃないし、勘弁してくれよ。」

「ずっと彼女の事歌ったうたを
ステージで聞かされる私の身にもなってよ。」

「もう、終わった事だよ。信じてくれ。」

「じゃ、あの曲はもう歌わないで!」

「もう、シングルカットが決まったんだ
無理だよ。」

「PVも撮影するの?」

「ああ!」

「じゃ、もっと具体的になっちゃう!」

「架空の事だろう、映像なんだから。」

「想像が現実化しちゃうのよ!」

「考え過ぎだよ、エミリー!
君と4匹の猫🐈が僕の大事な家族なんだ。
僕の夢を壊さないでくれ。」

「じゃ、私の夢、ジュエリーデザインの💎
スクールに通い始めてもいい?」

「その、サヴァンナって言う人もナッシュビルの
シンガーなんでしょ? 私も負けちゃいられない
もの!あなたのママは小学校の先生だったし、
働いてる女性が好きなのよね?」

「家に居てくれてもいいし、ニュヨークの
デザインスクール行ってもいいし、エミリーの
好きな方にしていいんだよ。」

「ホント?」

「ああ、」

(💓抱きつく)

「なーんだ!それが君の目当てだったのかい?
サヴァンナをダシにしてさ!僕の弱みに
漬け込んで!」

「お生憎様! 交渉が上手になっただけよ。
トムだってシンデレラの契約で随分、今じゃ
ビジネスマンじゃない、ボンジョビだって
シンデレラの後、契約した
スキッドロウからは、何がしか取ってるそうじゃない?」

「俺たちはジョンに何も支払ってないけどね。」

「それはシンデレラがこんなに売れるって
思って無かったからよ、現にスキッズは
シンデレラ以上に売れてホクホクじゃない。」

「まーね。」

「このアルバム『❤️‍🩹ハートブレイクステーション
売れる様に祈っててくれよ!」


「正直今はそんな気持ちになれないわ!
ごめんなさい。」

「売れないと〜デザイン学校の学費が出せないよ!
それでもいいのかい?」

「あ、そうだった〜 私祈るは🤞女の感情は
ちょっと横に置いておく!だって私の
将来がかかっているものね!」

「もう〜僕の奥様は現金なんだから〜」

(大笑い)

1990年 サマー休暇中
ニュージャージー
チェリーヒルの🍒邸宅にて


結局、エミリーの想像通りトムは
サヴァンナの事は否定しつつも
忘れられなかったようだ。
デザインスクールを卒業したエミリーは
トムから手を離して、去って行った。

別れの直接の原因はサヴァンナではなく
シンデレラが4枚目に出したアルバム
1994年「Still Climbing」が全く売れなくて、
トムも喉の病気にかかったり、最愛の母を癌で
失ったり、鬱病に悩まされてしまった事の様だ
が。

トムは何とか結婚を維持しようと努めたが、
エミリーとは1996年に離婚して、
シンデレラも一時解散状態になる。
エミリーが一時戻って来ようとした
らしいが、その時トムの心は彼女から
去っていた。それはトムのソロアルバムの曲
「Cold Day in Hell」の中で伺える。
エミリーもまたサヴァンナ同様彼のアルバムの
中で語られている事が不幸中の幸いかも知れない。
時として男女の情は憎しみと愛は同じ意味をなす
って言う事なんだろう。

トムキーファー にとって二人の女性はコインの
表と裏、どうしても必要な避けては通れない
関所だったと言う事だ。

The End

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