ロックノベル「もうひとりのミック物語」ケビンの激白!
「あなたの事ベッドの中だけケビンって呼んでもいいかしら?」
「ああ いいよ。でもなぜだい?」
「外じゃあなたは皆んなのミックでしょ?
でもここだけは私のものよ。」
「あ、俺のJr.をケビンって呼ぶわけかい?」
「ジュニアって言えばさ、あなた15歳の時に
『ジュニアーズ』ってバンドでデビュー
してたでしょ?」
「え、どこでそんな昔の話聞いて来たんだい?」
「私も物書きの端くれですもの、
色々調べてるわよ。」
「その事はあんまり今まで話す気がしなくてさ
ティーン向けのポップバンドだったからね。」
「でも1964年にシングル出したのよね?」
「まあね。」
「今で言うベイシティ ローラーズ
みたいな感じ?」
「一応自分で曲は書いたけどね。」
「何か嫌な思い出でもあったの?」
「勘がいいね!その通りさ。」
「周りの大人に何かされたの?」
「プリティー プリティ ミック テイラー
って言われるのが嫌だったね。ほんと。」
「で? 何か他に?」
「ああ、俺のケツを撫でた奴がいてね、
レコード会社の重役さ。」
「それっきり、レコードのプロモーション
にも行かず、ポップス業界からは離れて
ブルースのギター🎸をやり始めたよ。」
「ひどいわね!その人は?」
「ああ、今社長じゃないかな?
そのレコード会社の。」
「益々ひどいわね。」
「人見知りが益々それ以来ひどくなってね、
まぁギターがセラピストかな?
やっぱり音楽に救われてるんだ。
この業界の奴らは嫌いだけどね。」
「そうなのね、音楽には罪は無いもの〜。」
「うん、その通りさ。売れても売れなくても
俺には🎸ギターしかないし、弾いてるの好きなんだ。」
「またストーンズのUSツアー🇺🇸でしょ?」
「ああ、前座のビリー プレストンバンドののリードギターも頼まれてるから、3時間弾きっぱなしになるよ。」
「メインのギターリストが前座のギターも
兼ねるって前代未聞よね。」
「だよね、キースは喜んでるんじゃ
ないかな?俺の事好きじゃないみたい
だから、ストーンズのステージの方で
俺の弾くリードギターのパート短くなる
からさ。」
「そんなに嫌われちゃったの?」
「もちろん、彼も俺のギターは気に入ってるよ。
ただ、面白くないみたいだね。」
「どう言うこと?」
「遊び相手には不足なんだよ。俺、あんまり
飲まないし、悪ふざけとか苦手だしさ。
酔ってホテルの部屋からテレビ📺を投げ落とす
とかやらないからね。
キース曰く『テイラーはギターが上手いだけ
それ以下でもそれ以上でもない』らしいよ。」
「ま、ひどい事彼も言うわね。」
「本当だから仕方ないさ。」
「大人しいあなたに皆んなほんと好き勝手
やったり、言ったりひどいわね!」
「君さっきから『ひどい』を連発してるね!
可笑しい😂よ!」
「ケビン、笑い事じゃないわ〜真剣なんだから
笑うなんてひどい〜。」
「ほら、また『ひどい』って言ったよ。」
「ハハハ😂」
「ね、イギリス🇬🇧を離れてフランス🇫🇷での
生活はどうだったの?」
「毎日キッスの嵐さ!あっちの習慣で両方のほっぺに2回しなきゃならないからね。
教えてあげようか?」
「それは、もうひとりのミックの方から
教えてもらったから!」
「君もひどいな!そんな事今言うなんて!」
「冗談よ!」
「ひどい冗談だよ。まじで!」
「ごめんなさいね🙇♀️。ミック〜」
「ミック テイラーは許すけどケビン君の方は
はどうかな?」
「ハハハ😆じゃ、フレンチキスでケビンJr.の
ご機嫌とってみるわ!」
「それはGood ideaだね。(笑)😜」
The End
1973年 Mick Kevin Taylor 24歳