ロックノベル「もうひとりのミック物語」Stranger in This Town
ロンドンの街角で、『ジャンピング ジャック
フラッシュ』のギター🎸の音が響く♪
「中々あんたのギターいいね!ローリングストーンズのファンかい?」
「ええ、まぁ。あなたも?」
「昔は大嫌いだったけど、今は時々聴いてるよ。」
「そうなんですか。」
「じゃ、寒いから、ここでの演奏頑張って
風邪ひかないようにな。これでウイスキー入りのコーヒーでも飲んで温まるといい。」
(チャリン)
「Thank you, Sir.」
優しい、懐っこい笑顔の人だったなぁ
誰かに面影が似てるけど、思い出せないなぁ〜?
「や、トム、今日はここで演奏かい?」
「うん、」
「俺これから、ミックテイラー&オールスターズ聴きに行くんだけど、お前も来ないか?」
「ミック テイラー?」
「おいおい、今トムが弾いてた
『ブラウン シュガー』のギターソロ🎸
で有名な人。」
「え!ロン ウッドでしょ?」
「知らないのかよ、『スティッキー フィンガーズ』のアルバム当時はミック テイラーが
リードギターだったて?」
「そう言えば、そうだったけ?」
「まぁいいから、俺と一緒に来いよ!
ミック テイラーのストーンズ時代のソロも聴けるかもしれないぞ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「トム、演奏始まるぞ。」
(拍手👏)
「あ、さっき俺の演奏に小銭🪙くれた人だ!
何で舞台の上に居るんだろう?
ギター🎸テックか何かかな?」
「トム、何ブツブツ言ってるんだよ。」
「ミック テイラーまだ出てこないね。」
「何いってるんだよ、あのレスポール🎸持ってる
人でしょーよ。」
「あの小太りオッサン、ギターテックかローディーかと思った。」
「昔より随分肉付きがよくなちゃったからね、
でもちょっと美少年の面影はあるよな。童顔で
髪の毛もふさふさで。もう60歳だもんな!」
「そうか、通りで見覚えがある人だと
思ったんだよなぁ。」
「?」
「エリック、あの人さっき、僕が街でギター🎸
弾いてたら『中々いいね!』って声かけてくれたんだよ。」
「ミックテイラーが?」
「ああ!しかし、レコードジャケットの写真から随分と変わっちゃたね。僕が気付かなかったわけだ。」
「トム、😖なんて事を!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「テイラーさん、あなたの『ジャンピング ジャックフラッシュ』も中々良かったですよ!^_^」
(大笑い🤣)
「やあ、さっき街中でギター🎸弾いてた
君か!」
「さっきは失礼しました、僕はトム
って言います。こいつは相棒のエリックです。」
「テイラーさん、トムがさっきは失礼してすいません。」
「ああ、いいよ、いいよ。よくある事だから。
俺、図体大きいのに、影が薄いだろ?
それはストーンズの時代からだから。
演奏には自信あるんだけどね。
若い時から舞台であがるって事も無かったし。
君達ぐらいの時からギター🎸で食ってける
気はしてたんだよ。」
「ストーンズ時代のの1番の思い出は何ですか?」
「え?もちろん毎晩女の子まみれだった事さ!
ハハハ〜!冗談🤭だよ。
1969年俺がまだハタチの
時にNYのマジソン スクエアガーデンの
バックステージでジミと会えた事だね。そしてジミが俺の演奏を聴いてくれたんだ。」
「ジミ?」
「トム、ジミ ヘンドリックに決まってるだろ〜!」
「あ、そっか、エリック!わるい、わるい
そりゃ、女の子よりいいなぁ〜!」
「テイラーさん、トムはプロのギターリストを目指してるんですが、何かアドバイスしてやって下さい。」
「そうねー。毎日ギターの練習を欠かさずに、
女の子と薬物には気をつけること。でも
アドバイスする資格、俺には無いね。
長い事その両方で苦労したから。でも
トム君は俺みたいに口下手でハンサムだから
先が思いやられそうだな。まぁ弁が立つ
ミック ジャガーみたいな奴をメンバーに
入れるといいよ。」
(苦笑😅)
「金髪のエリック君は何を目指してるのかな?」
「え!僕ですか?ブライアン ジョーンズ!」
「そりゃ、大変だ!益々、女の子と
薬には気を付けてくれよ。それに、大抵バンドが解散する理由は女だから、トムもエリックと仲良くね。デビュー前にさっさと結婚した方がいいかもな。まぁ結婚した所で保証はないけど。」
「あの、キースやミックがブライアン ジョーンズの彼女取っちゃった事を言ってるんですか?」
「例えばの話だよ、エリック君
これ以上話すのやめとくよ。」
「エリックが失礼な事聞いてすいません。」
「あ、いいんだよ。トム君。でも
いつも同じ質問されてウンザリしてるんだ。
でも君たち興味があれば、キースの書いた
自伝『Life』読んでごらんよ、
事細かに書いてあるから。」
「テイラーさんの事も?」
「ああ、『テイラーは当時あいつ自身がどの位
気づいていたか分からんが、すごく俺らに貢献してくれたし、ほんと辞めて欲しくなかったよ。』って書いてくれててね、読んだ時は
嬉しくて、泣けたよ。若い俺にキースは期待して
くれてたんだなぁ、ってね。忘れてたけど、
俺のギターのいい所をストーンズは引き出してくれたんだよなぁって、思い知らされたね。
長い事ストーンズ時代の事は憎んでいたから。
ほんと地獄と天国の生活だったよ。」
「だからさっき街中で、僕の演奏聴いた時に
『ストーンズは昔大嫌いだった、でも今は
時々聴くけど』って言ってたんですね。」
「そうなんだよ。俺の中のHateが消えて
ストーンズに在籍してた事をやっと誇りに
思える時が来たんだ。『Time is on my
Side 』さ!ミックはいい詩を書くだろう?」
「テイラーさん、若い時より、ステージの笑顔も
余裕ですもんね。」
「そうかな、ありがとう😊。それより君らのデビュー決まったら教えてくれよ!バンド名は?」
「『シンデレラ』です。」
「え?シンデレラ❗️随分と可愛いい
名前だね。ガラスで出来たギター🎸でも
弾くのかい?」
「そうなんですよ〜あの透明の
シースルーのギター アームストロング
キースと同じの弾くのが僕の夢なんです。」
「そっか、トム君の夢が叶うといいな。」
「ありがとうございます♪
テイラーさんは今ハッピー😀ですか?」
「ああ、今ギター🎸が弾ける事が
1番しあわせだと思えるよ。女の子に
騒がれるよりもね。」
「僕もエリックもそう言える時が来るように
頑張ります。」
「ミック〜 ❤️タクシー🚕拾って外で待ってるわよ!早くね。」
「あ、じゃ彼女と行かないと、君たちと会えて
今夜はとても良かったよ。『Time Waits for
No One 』若い時に全力で頑張れよ!
20代は黄金時代だから。」
「ありがとうございます♪さよなら👋」
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「ミックテイラー、女の子に気をつけろって
散々僕らに言いながら随分若い子と一緒だったね。」
「やっぱり元ストーンズだもんなぁ、嫌でも
モテるよね!」
「腐ってもタイだ!」
「それは余りに失礼だからさ、
ミックテイラーの場合は『太っても
転がる石』って事で!」
「上手いこと言うね、トム!」
(大笑い😆)
「彼、20代は黄金時代って言ってたね。」
「ミック テイラーがトーンズでが大活躍してたの20歳から25歳までのほんの5年だもんね。」
「そうなのか?エリック」
「ああ、15の時にポップバンドでコロンビアレコードからデビュー、17歳から20歳まではイギリスのブルースマン ジョン メイオール&ブルースブレイカーズの所で修行して、20歳でブライアンの後任でストーンズに加入したんだ。」
「まさに神童は何とかだよなぁ〜」
「なんか後半は普通の人になっちゃったね。」
「でもジミ ヘンドリック何かも
実際活躍してたのはほんの5年間だし
太く短くって言うのがロックスター宿命なの
かも知れないなぁ。」
「ああ、60まで生きていられるのが
ミック テイラー普通じゃ無いかも知れないぞ。あれだけストーンズで脚光を浴びて、ブライアン
ジョーンズみたいにならないで、
普通に今でもギター弾いて生きてるってさ。
凄い事かも?ギター🎸一本で食って行くって
並大抵なな事じゃないよな?」
「そうだよなぁ、僕らもそうなりたいね。」
「トム!僕らも太っちゃうの?」
「ハハハ😹そこは真似したくないね!
エリック〜」
The End