Lady Andante

歩くようにゆったりと 小さな葡萄畑とワインを嗜む宿を営んでいます Sado isla…

Lady Andante

歩くようにゆったりと 小さな葡萄畑とワインを嗜む宿を営んでいます Sado island / small vineyard / agriturismo / andante-sado.com

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「アンリ・ジャイエのブドウ畑」を読んで

「現代文明の特徴であるスピード、忍耐の欠如、すべてをすぐに手に入れたがる性急さが、ワインの理想をゆがめている」 冒頭に出てくるこの言葉が、この本一冊を、ありのまま、あらわしていた。 アンリ・ジャイエが、朝陽ともに畑に出て、太陽が沈むまで、日々淡々と、春夏秋冬に決まった仕事を丁寧にこなしている姿が目に浮かぶような描写。気がつくと、ジェイエが汗混じりで畑に立っている頃へタイムスリップし、畑の隅から彼に視線をおくっているような、そんな感覚を味わえる一冊。 逆に言えば、淡々と作

    • 【France】Chateau Poupille [2015]

      アルザスからパリ経由のTGVにのり、ボルドー駅について、駅舎から外に出た瞬間、初夏のボルドーの日差しにくらっとしたのを覚えている。駅からホテルまで、バックパックを背負って歩く道すがら、全身から汗がじわりじわりと出てくるような、湿度のある蒸し暑さだった。 「あれ?ボルドーって海洋性気候で、夏比較的涼しくって話じゃなかった?」と思わず教本を疑ってしまうほど。 Bordeauxという名前は、「水のほとり(au bord de l`eau)」という古語から来ているらしいが、Bor

      • 【Italy】 Gigi Rosso GAVI 2017

        イタリアはピエモンテ州南東部で栽培される「コルテーゼ100%」のDOCG 色 : 緑がかった淡い黄色(麦わら色) 香り : ライム、レモン、フレッシュハーブ、青リンゴ、火打ち石 味わい:しっかりとした酸味の中に果実味の余韻を感じる爽やかな一本 シチュエーション:夏、汗をかいた後に喉を潤したい時、白身の魚のカルパッチョ、アクアパッツァ、レモンクリームのパスタ、しらすとガーリックのピリ辛ピザなどが合いそう とても気温の高い日で、日中畑仕事で久しぶりにしっかりと汗をか

        • 裏庭でささやかに ワイン造り

          ジョージアのワイン造りの根底にある考え方が、私たちのやろうとしていることにとても近い。大酒飲みらしいジョージア人は、”自家消費用のワインを自分たちで造る”という。世界最古のワインとワイン文化発祥の地は、ワイン造りという考え方に、とてもシンプルで、気持ちがよいのです。 ジョージアのクヴェヴリワインと食文化という本を手にとってページをめくるたびに心が晴れていくような気がしました。家裏の庭に、花や他の植物と一緒に育っているブドウたち、ブドウを育てる支柱も、森や林から切り出してきた

        「アンリ・ジャイエのブドウ畑」を読んで

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        • BAY BEE FARM.SADO 便り
          1本

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          夢はミニマムに

          東京を脱出し日本海の北の方にある離島に暮らしはじめ、あっという間に5年。「お金はかけずに、時間をかけて、夢は小さく叶える」という想いで、葡萄農家になった夫と、自宅の一部を開放して宿をはじめようとしている妻です。 島に来てから5年も経って、ようやく枠組みが見えてきた夢。夫はワインが好き。私は人が集う場所が好き。「好きなものを創造する側になる」という夢を身の丈にあった形で、焦らず、急がず、ゆっくりと叶えようと活動しています。 夢は小さくとい言いましたが、大きな夢、もちろん悪く

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