いい加減な切り取り方だって差別と同じ
「あたしはやっぱり、男と女は全然違うと思うし、そんで男と女はやっぱり全然違わないと思うのネ。だから弓子センセイのなんか、男には全然分んないと思うけど、でもそういう男は、女なんか人間じゃないと思ってる男だと思うのよネ。女は男と全然違うんだから、弓子センセイが、男の考えてるのとは全然違うようにマンガ描いてて当然だと思うんだけど、でもそれは男の人だって読めば分る筈のもんだと思うの。少なくとも男で、大人で、威張ってるんだったら、それ分ろうとして当然だと思うのよネ。それが分んなかったら、その分だけ自分が威張るの、当然減らすべきだと思うのよネ。女だったら絶対に、誰だって大島弓子先生のこと分ると思うわ。だけど筑摩は分んなかったのよネ。分んなくていいと思ったのよネ。分る必要ないと思ったのよネ。『現代まんが全集』に大島弓子先生入れなかったんだもんネ。
あのチュウネン達は、いつだって自分の分りやすいもんしか取り入れないのよネ。自分達の分りたい分だけ勝手に分ってサ、そんで全部分かったことにしちゃうのよネ。分りたいようにだけ分って、あと全部無視すんのよネ。要するにあたし達は無視されてんのよ、あのチュウネンに。そんで恐ろしいことにあのチュウネン達は、あたし達のこと無視してるって気が全然なくてサ、なんと！分った気でいんのよネェ、ジョオオダンはヨシのサトだわ。
今の若いもンはどうにも分らんて言って、そんでサ、イヤいつの時代だって若いもんは結局の所変りやしないんだって言って。まるで自分達の分んない所は、“今の”部分だけみたいな顔してるけど、“今の”が分んないってことは、昔っからズーッと変んないでいる部分が分んないってことなのよ。」