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中身がないのにカッコつけたら..

「『中身がないのにカッコつけたらもうおしまいじゃない、その後ってないじゃない。
中身なんかなくたって、そのないなりに一生懸命やったそのことが一番重要なんじゃない、なんでそんな重要なことを忘れんだよバカ』と、私は本気で思っている。

ミエは大事、でもそのミエが乗っかる土台がいい加減だったら一切は無意味というのが、正しく日本近代なるものが伝える根本哲学なんであるが、私はそういうものは平気で継承しちゃう。

『なんで中身がないのにああもカッコばっかりなんだ?あんなことやってるから“中身”の検討が出来なくなって、自分達がいやらしい自己満足に陥っていることさえ理解できなくなるんだ、よーし挑戦してやる!』と、私は真向から“今時の若いもん”と張り合ったのである。

この姿勢だけでエライと思うが、驚嘆するのはその先である。

若さの属性は能なしと貧乏、若さの持つ美点は真摯、その結果の幸運は輝くべきアホらしさという名の天真爛漫』という聖なる三位一体の基本ポリシーに沿って、私はこれを全部実際に作り上げてしまったのである。」

橋本治『友たちよ!』


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