“豊か”ってことは、「努力することが楽な状態」
“女心”をテーマにしたエッセイのアンソロジー。
橋本治は、女側にも男側にもつかない。
なぜならば問題は男女としてではなく、社会全体としてであって、全ては“個人の資質・能力”に帰属するものであるから。
“男”“女”にチョンチョンカッコがついていることを見逃さないでほしい。
仕事も家事も完璧にしろとは言ってない(橋本治も、洗濯はするけど自炊はしないと書いている)。
「女だから家事をする、男だから社会のなかで金を稼いでくる」というのではなく、個人の資質と能力によって、他人との関係性のなかで自分の仕事は決まるものであって、自分のやってることが自分の仕事なんだからちゃんとしろ、てことだと受け取りました。
人間の“関係”はみんなイーブンの互角。
相手に家事をしてもらって自分は会社に行くんだったらそれに見合うように成果を出せ(社内的にではなく、社会的に)、家事をするのが仕事なら相手とイーブンになるくらいの状態を作れ、という。
それでみんなが自分のやるべきことに対して努力することが豊かである、ということではじめに戻ります。
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