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#カワイクイキタイ30「春風ちゃん」

 未来の話だけしてゆきましょうね。

 もう会えないあの人より、目の前のあなたがいい。あの時もらった宝物の言葉より、今日の他愛ない会話がいい。戻りたい過去なんてひとつもない。今日、今が、いつもいちばん大事。

 変わってゆくことは前に進むこと。変わってゆくことは過去を愛する約束。裏切りや、あきらめじゃない。

 ちょっと遊びに行ってみたい。過去に思うことはそれくらい。

 いつもニコニコしているべきだ。本当は。気持ちいい言葉だけを使うべきだ。安心させるべきだ。楽しい気持ちにだけ、うれしい気持ちにだけ、させるべきだ。周りの人を。

 そんな人になれないのに、誰かといたくて申し訳ないな。
 ひとりではできないことが、心から好きで申し訳ないな。

 せめて、信じられる人でいたいな。そばにいてほしいと思える人。落ち着く人。なれっこないか。なれたことないもんな。

 そばにいてって言ってくんないかな。誰か。
 嘘でいいのに。騙されるのに。

 春風が髪をボサボサにしてせっかくの身だしなみが台無し。口の周りに食べかすがついている。情けないことを言ったり、誰かや何かを許せなかったり、他人が見たらガッカリするような姿こそが愛おしいとは不思議なものだ。

 どうやったら嫌えるんだろう。
 君を嫌うことは、今世ではあきらめました。

 知らず知らずに選んで、選ばなかった方を捨ててここにいる。全てに理由を探していたらキリがない。分からない正しいことより、間違っているとしても、今、分かっていることを信じたい。

 好きだ、嫌だ、嬉しい、楽しい、悲しい、淋しい。なんでもかんでも声に出していいわけじゃないけど、声に出さなくても、顔に出さなくても、なかったことにしちゃいけない。

 くだらない嘘をつかなかったか。もう会えないとしたらこの別れ方でいいか。明日死ぬとしたら今日をやり直したくならないか。恥ずかしくて、意地を張って、言うか迷ったことは絶対に言っておいた方がいい。そう教えてくれた人がいたんだ。

 つもりじゃだめなんだとやっと分かった。思いは秘めておくものじゃない。渡すものなんだって。それは魂を分けるようなこと。こういう人間がいた気がする、いつかきっと思い出す。

 ほら、変わってゆくことは前に進むことだ。

 自分がまだ持ってない欲しいものを集めにゆく旅だ。

 未来は怖いものじゃない。希望だよね。希望だよね、きっと。

 生まれた日に満開の桜が見たい。
 いつも全部散ってしまっているから。

 そう話したら「なら北へ行けばいい」と雪国から来た美しい人が言った。雪国の桜はその頃に満開を迎えているはずだから、と。

 あきらめるのは簡単。あきらめないのは、もっと簡単。

 北へ向かえばいいだけのこと。

ひとくちメモ

4月30日、元気に誕生日を迎えました。
そばにいてくれる大好きなみなさん、いつもありがとう。

4月中かけて俳優の今川宇宙と作った『ととのうロマンティック』が無事に終わった。とてもさみしいし、終わったらいつもちょっと腑抜けになってしまう。もう次にゆかないと。わかってはいるのだけどね。

ぬたあん、ぬたあんと、力を抜いて生きたい。歳を重ねるごとに、力を抜いて生きてゆきたい気持ちが増してゆきます。がんばり時はがんばるんだけど、そうじゃなくて。心構えの話。

それは人の力の及ばないもの。気持ちとか考え方。あきらめと受け入れは似て非なるものです。何もあきらめないけど、いろんなことを受け入れられるおおきな人になりたいです。
桜は誕生日の頃には散ってしまう。さみしがったって散るのです。なら、私が桜を追いかけて移動すればいいよね。

春といえば、花と春風。
春風のような爽やかで触れたら消えてしまうような儚い文章を書こうとしたのですが、全然爽やかに書けませんでした。私にはきっと爽やかさが足りない。
 
振り返らずに前を向くこと。
進んでいる方向が前だと信じて勇気を持って進むこと。
そんなことをずっと考えています。

愛おしい日々です。人生は楽しむべき冒険です。
今あるものやそばにいる人は、私にとってありあまる富です。
いつもありがとう。これからもよろしくお願いします。

撮影日:2024年4月2日
撮影場所:都立蘆花恒春園

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藤井千咲子
いつも読んでくださりありがとうございます。 サポートしていただけたらとってもとってもうれしいです。 個別でお礼のご連絡をさせていただきます。 このnoteは、覗いて見ていいスカートの中です。