いつから人はご飯の写真を日常的に撮るようになったのか
いつから人は、ご飯の写真を日常的に撮るようになったのか。インスタが流行った頃からだろうか?わからない。気がつくとたまにだが、私もご飯の写真を撮るようになっていた。
このことに関して、たぬき(信楽焼のたぬきに似た彼氏)が物申してきた。
ご飯を食べる場所で、写真を撮ることに集中している様子が気持ち悪い。
確かにそうだ。出来たてのご飯を前にしてみんながみんな、カメラを構えて写真を一生懸命撮っている様子を想像したら、私だってゾッとする。なんでこんなにも、ご飯を食べる場所でカメラを構える人が増えたのだろうか。
インスタ映えが流行したからというのはもちろんだろう。しかし、それ以前に、携帯やスマホが普及したからだと考えられる。
当たり前のことだが、今はスマホを持っていさえすれば、誰もがいつでも写真を撮れる時代だ。それ以前では、デジカメ、さらにそれ以前だと、フィルムカメラを持っていなければ、写真を撮れなかったわけだ。そんな時代の人がご飯の写真を撮るだろうか。いや、撮らないだろう。
鞄の奥底に入っているカメラを探し出して、取り出して、袋から出して、起動して、撮る。いやいや、面倒臭い。ご飯が冷める。フィルムカメラ?撮れる枚数が決まっているのに?貴重なフィルムでご飯の写真を撮るのぉ?えぇー?精々撮ったとしても、旅行先で食べるご飯や誕生日ケーキくらいだ。
そう、これまで人は、「大切な日に食べるご飯の写真」だったら撮っていたのだ。
こう考えてみると、なんというか、いつでも写真を撮れる時代は、大袈裟に言うと写真の価値を下げているような気がする。私は、なんとなくご飯の写真を撮っていたが、辞めようと思った。これからは、なんでもない日は、出てきた出来たての美味しいご飯をすぐに頬張ろう。特別な日は、一緒にご飯を食べる人の笑顔とともに、食べた物の写真を撮ろうと思った。
私にとって写真は大切な思い出を振り返るために撮るもの。これからは、いつ撮ったものか忘れてしまうような写真は撮らないようにしようと思う。
ご飯の写真も、特別な日を振り返る1枚の写真だけ残していこうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?