ねこのいる朝のルーティン
朝。クロちゃんが「朝ごはーん!!!」と懸命に鳴くので起こされる。
朝が弱いわたしはなかなか起き上がれず、クロちゃんはわたしが目を覚ましたのに気づいて、耳元までやってきて鳴く。
ベッドの端からずるずると這い出ようとして、クロちゃんのしっぽをうっかり踏んで「ニャー!」と怒られる。
「ああー、ごめん、わざとじゃないの」と謝りながら、猫の餌入れを取りに行く。
クロちゃんが、「早く!ごはん!」と言いながらついてくる。
あ、トイレに行きたい・・・。
我慢できる日は先に餌を用意して、クロちゃんにあげてからトイレに行く。
今日みたいに我慢できない日は、もうお皿はほったらかして、先にトイレへ。
クロちゃんは「なに?そっちでご飯の準備?」って感じでついてきて監視している。
我が家はトイレとシャワールームが一緒になっているのだけど、クロちゃんはそのドアの前の珪藻土マットに座って、この家にきて2ヶ月経ったというのに、毎回不思議そうに眺めまわす。
そして、いつもお化けでも見えているのかというくらい、シャワーヘッドのかかっている上のほうに目をやった途端、緊張した表情になって凝視する。
以前、友達に話したら、「猫って“見える”らしいよ」と怖いことを言われたので、クロちゃんに「なんかいるの?」と聞いてみる。
でも、クロちゃんはわたしのほうを見ることもせずに凝視しているので、とりあえずさっさとトイレを済ませて、手を洗う。
手を洗い始めると、またクロちゃんが「朝ごはん!」と思い出したように鳴き始める。
餌が入っている棚の扉を開けると、クロちゃんの鳴き方は間隔が短くなり、ますますうるさくなる。
その声に急かされながら、カリカリをお皿に盛り付ける。
煮干しや鰹節もかけてあげたほうが喜ぶけど、あんまり急かされてるので今日はいいや。
カリカリだけのお皿を置いてやると、クロちゃんは、一瞬不思議そうにわたしのほうを振り返る。
「これだけ?猫缶とか、鰹節とか、煮干しとか、おいしいの何にもかかってませんけど?忘れたの?」
今度はわたしのほうが無視してクロちゃんの水を換えに行くと、クロちゃんはお腹が空いているので、さっさと諦めてカリカリだけの朝ごはんをおとなしく食べ始める。
時計を見ると、まだ7時。
旦那さんが仕事に出かけるのは8時半なので、まだ時間はたっぷりある。
わたしはスマホを持ってベッドに戻る。
クロちゃんもお腹がいっぱいになると大人しくなり、窓辺の自分のベッドへ行って寝始める。
クロちゃんがベッドに乗ってきてわたしに寄り添ってくれるのは、お腹が空いている時だけなのだ。
クロちゃんがやってきてから、わたしの朝は早くなった。
クロちゃんに起こされて、目が冴えてしまったあとの時間は、こうしてゆっくりnoteを書くのにちょうどいい。
あ、なんかわたしもお腹が空いてきたな。
今日の朝ごはんは何にしよう。