台湾って、台湾語?〜台湾人が話すコトバ
「台湾って、台湾語?」
台湾に引っ越すと決めてから、日本人の友達から何度この言葉を聞いたかわからない。
テレビでもよく台湾旅行の特集がされて、みんな九份が千と千尋の世界みたいで綺麗だとか、台湾人は親日だとか、夜市のグルメがおいしいとか、そういうことは知っている。
でも、まだまだ残念ながら、台湾の地理や歴史までは知らない人が多いと思う。
わたしも20代のころ、初めて台湾旅行をするとき、あれ?台湾ってどこだ?中国、ではないんだよね?と思ったくらい、何にも知らなかった。
※台湾は国としてまだ認められていなくて、台湾(中国)と表記されたりする。中国から独立したい!台湾は台湾という1つの国だ、と考えている台湾人が多いので、台湾人に「台湾って中国なの?」という発言はNG!逆に中国人に「台湾は国でしょ」というと、台湾は中国の一部だ、と怒る人もいるのでこれも注意が必要。
日本統治時代(台湾が日本の植民地だった時代)があったことすら知らなくて、地下鉄の中でおじいちゃんから日本語で話しかけられても、日本が好きなんだな、としか思わなかった。
わたしもまだまだ知識不足だけれど、わたしの知っている範囲で、もう少し、日本のみんなに台湾のことを知ってもらえるようにこの記事を書いてみようと思う。
さらっと、なるべく読みやすく書くので、ぜひ読んで、台湾のことにもっと興味を持ってくれたら嬉しい!
台湾の現在の国語は、中国語。
*5/25追記:台湾語や先住民の言葉なども、国の言語として認めているそう。台湾人は中国語(北京語)のことを国語と呼ぶので、公用語という表現は削除しました。
わたしが、旦那さんや、同世代の台湾人の友達と話すときは、いつも中国語。
中国と台湾では、同じ中国語でも、使っている漢字、発音の仕方、たまに単語も違う。
台湾の中国語のことを、台湾華語(たいわんかご)と表現することもある。
台湾では繁体字といって、日本の漢字の旧字体のような文字を使っている。香港やマカオの人もこの字を使っている。
中国では簡体字。たくさん国民がいる中国では、読み書きができない人もたくさんいて、それで政府が誰でも読み書きできるように、漢字を簡略化したのが、簡体字。
例えば、愛という漢字。
台湾(繁体字)だと、愛。日本と同じ。
中国(簡体字)だと、爱。下の部分が、友になっている。
国という漢字は、
台湾(繁体字)だと、國。旧字体みたい!
中国(簡体字)だと、国。今度はこっちが日本と同じ!
最近では、ネットで、簡体字の字幕のついた海外の映画やドラマを見ている人も多く、台湾人でも簡体字が読める人が多いようだ。
冒頭の話に戻って、台湾語のこと。
わたしが台湾に行くというと、色んな友達から、「台湾語、話せるの?」「はるかちゃん、ずっと台湾語、勉強してたもんね!」などと言われた。
わたしは台湾人の先生から、“中国語”を習い、台日交流会などに顔を出して“中国語”を勉強していたのだが・・・。
ちなみに台湾にくる前は、台湾語は台湾人の友達がふざけて教えた悪口しか話せなかった。
台湾語というのは、一種の方言のようなもの。
もともと、台湾にはたくさんの民族がいて、その民族ごとの色んな言葉がある。
原住民と呼ばれる人たちや、中国から渡ってきた人。
わたしの友達には客家人(日本語では、はっかじんという)やタイヤル族の人たちがいる。
タイヤル族の友達のFacebookを見ていると、結婚式でした、といって民族衣装をきた写真をアップしていたりしておもしろい。
客家人には、客家語という言葉がある。
でも、だんだん、若い世代になるにつれて、台湾語や客家語はわからない、という人も増えてきている。
近所の小学生によると、学校で台湾語の授業があるらしく、教科書を見せてもらったが、これなんて読むの?と聞くと、あれ、なんだっけ、忘れちゃった、が多くて、ほとんど話せないようだった。
わたしの旦那さんの一家の言語は不思議だ。
おばあちゃんは92歳。日本統治時代に教育を受けていたので、学校で日本語を話さないと先生から叩かれていた世代。
おばあちゃんは日本語と台湾語が話せるが、中国語はほとんど話せない。
普段家族とは台湾語で会話しているが、わたしが来てから日本語を徐々に思い出し、カタコトの日本語で会話している。
「腹、痛い」「雨、降るよ」「ご飯たべるか?」といった感じ。
認知症のあるおばあちゃんは、最近、家族にも時々日本語で話しかけるようになってしまい、みんな聞き取れずに困惑している。
おばあちゃん以外の家族は誰も日本語を話せない。
60代のお義父さんとお義母さんは、主に台湾語を話す。中国語はわかるけれど、あまり得意じゃなくて、発音も標準的ではないらしい。
そのため、お義母さんがスマホに向かって中国語を話しても、正しく聞き取ってもらえないんだとか。
今年40歳になったわたしの旦那さんは、両親とは台湾語で話して、会社の同僚やわたしとは中国語で話している。どちらも流暢に話せるらしい。
でも、33歳の義弟さんは、台湾語は聞き取れるけど、話すのは完璧ではない。旦那さんとは中国語で話して、両親とは台湾語で話していると思っていたが、よく聞いていると、たまに中国語が混ざっている。台湾語で何というかわからない単語は中国語に置き換えて話しているのだと思う。
わたしの友達に聞いた話では、お義父さんお義母さん世代の人たちが、孫と話すときに、お互いの言葉がわからなくて、旦那さん世代の両親が通訳に入る、ということもあるらしい。
家族間で言葉の壁が生まれているというのは、なかなか大変なことだと思う。
お客さんが台湾語で注文したら、店員さんは台湾語がわからなくて、「〇〇(中国語の名前)ですか?」と聞き返すと、中国語のわからないお客さんは、台湾語で、「いや、⬜︎⬜︎(台湾語の名前)だ」という押し問答が続き、結局双方同じもののことを話していた、という話を、お義母さんたちが「おかしいでしょう」と爆笑しながら、滑稽話として教えてくれたことがあった。
それは台湾の人にとって、社会問題の話、とかでなくて、笑い話なのか、とわたしは少し驚いた。
日本でも、方言がたくさんあって、沖縄の方言や、東北のズーズー弁が全然通じない!というのをバラエティで面白がっていたりするのと同じ感覚なのかもしれない。
でも、日本人として、台湾の世代間の言葉の壁があることと、日本が昔、台湾を統治していたことが関係していることは、知っておかなければいけないと思う。
親日国として、なにかと日本に支援してくれる台湾だけど、台北の街中に日本からの独立を記念した石碑が今もある。
わたしもこれから台湾で暮らしていく日本人として、もっと台湾の歴史を勉強しなければいけない。
まだまだ知識が浅いので、気をつけながらこの記事を書きましたが、万が一、間違っている内容があればぜひコメントで教えてください!すぐに記事を訂正します。
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