せんさいムスメと思春期早発症
あけましておめでとうございます。
2023年一発目の記事が、去年のまとめになってしまうとは。
そして、2022年を語る中で外せない話なので、少しずつ書き綴っていこうと思う。
思わぬ訴え
昨年9月、ムスメが「胸が痛い」と訴え出した。
内部(心臓)とかではなく、乳房が痛いようだ。
近々行く機会があれば、小児科の先生の相談してみようか、と言ってその場は終わった。
気にしいな私は、ネットで
「小学生 胸 痛い」
と検索しまくると
思春期早発症
という言葉がヒットした。
まずは小児科へ
2週間後、ムスメ発熱のため小児科へ。
その際に、問診に「胸が痛いと訴えています」と書いておいた。
その時はPCRだけだったので「また元気な時にね」と先生。
さらに数週間後、予防接種の際に「そういえば、ムスメちゃんの胸見せてもらってもいい?」と先生から言われた。
あ、覚えてたのか。
「前にきた時よりかなり大きくなったね。乳頭も目立っている。思春期早発症かもしれない。身長も測っておこうか」
母子手帳には身長体重グラフのプロットはしてあったが、正確な数値がわからず。
「数字がないとちゃんとした判定が出せないのよねぇ」
と先生。
保育園では聞かないと教えてくれなかったので、聞けた時だけ記録していたのだ。
正確な数値を残していなかった。痛恨のミスだ。
それからムスメは身長と体重を測った。
130㎝、31kg。
早生まれにしては、かなり大きい。
ムスメは元々良く食べる。特に、チーズ、卵、牛乳、納豆。
ボディビルダー目指してるのかな。
水泳だけしかやってないけど。
先生と相談。
低身長や思春期早発症などの専門のクリニックがあるとのことで、そこに紹介状を書いてくれた。
ラッキーなことに、その病院は電車1本で行ける場所にあった。
免許を持っていないのでありがたい。
予約は自分で取ってくれ、とのことだったので電話をかけてみるも、その月は予定と合わず。12月が初診となった。
受診までの間に、わたしは保育園へ赴き、入園してからの5年間の身長、体重のデータをもらった。
ちなみに、全て手書きだった。
園が古いのもあるが、保育園ってなんでアナログなんだろう。
園の先生に感謝を伝えない訳にはいかない。ありがとうございます!!
発達専門の病院へ
12月某日、ムスメ帰宅後に病院へ向かった。
駅を出てすぐ、駅ビルにその病院はあった。
思春期早発症の治療については、ムスメには再三伝えたつもりだった。
その中に、最初採血があるけど、採血は体のことを知るためにするんだよ、と注射嫌いのムスメにわかるように伝えたつもり、だった。
クリニックに入る。
初診の旨を伝え、母子手帳、身長体重のデータ、その他諸々を受付にわたし、身長体重をその場で測った。
130㎝、32kg。筋肉量少なめ、肥満の一歩手前。
こちらの身長計は最新式で、ここまでデータが出てきた。
初診の問診は3枚あった。父親の身長体重、母親の身長体重。初経は何時ごろきたか。(きょうだいの欄もあったが、うちは1人なので略)
診察室にて
しばらくして診察室に呼ばれた。
ミスターポテトヘッドのような先生だった。
子供相手にこの面はあかんやろ。(失礼)
先生曰く、
これは成長期きてるな。胸のしこりと腫脹もあるし、おそらく早発症ですわ。
お父さんとお母さんの身長から見て、最終身長はだいたい155㎝ぐらい…と見てもらっていいかと思います。
あとは手のレントゲンと採血で確定したいんやけど…
注射いやーー😭😭😭
ムスメが、この世の終わりのように騒ぎ出す。
小学生になってから急に注射が苦手になった。
あまりに落ち着きがないので
「この子はパニックになると人の話が入らなくなるんやね、発達の問題かな」
と言われた。
正直心外だった。(HSCではあるが、そこまでいうのか…)
まあ、周りはおとなしい(注射慣れした)小中学生ばかりだったし、余計に目立つのかも。
採血、それは戦い
肝心の採血だが、お母さんは待合で、と言われ本人だけで行ったが、待てど暮らせど帰ってこない。
どうやら難航しているようで
「怖くなっても困るので、本人のペースでやりましょうか」
と看護師さんが伝えにきてくれた。
ムスメは狭い廊下に飛び出して、大粒の涙を浮かべている。
やめて帰ろうか、と言いたいところだけど、彼女の将来に関わるので是が非でも頑張っていただきたい。
外来が混んできた。
律速状態(実験などの進み具合が決まるポイントのこと。ボトルネックとも)はここだ。うちのムスメだ。
効きすぎている暖房にのぼせる体と、混んでくる外来に申しわけなさやらを感じつつ、
「採血したらムスメちゃんの体の状態がわかるんだよ!終わったらキャンドゥで好きなもの買おうよ」
それでも地べたに座り込む小学2年生。
通りかかったポテトヘッド先生が
「みんな泣いてへんでー!見てみ。無理なら先生と一緒に行こか」
文字通り引きずられながら、処置室に再度向かうムスメ。
抵抗する犯人を連行する様だ。
あなたのためだ、がんばれ。
わたしは応援することしかできない。
あ、今すごい暴れてるんやろな。
あ、少しだけ声が小さくなったな。刺されたか?
周りの目線が気になりつつ、目を瞑りながら実況中継をしていた。
戦い、終わる
真っ赤に目を腫らして出てきたムスメの腕には、ポムポムプリンのシールが貼ってあった。
「頑張ったな!ほんまに頑張ったな!」
「めちゃくちゃ頑張ったよ!帰りになんか食べたい」
肥満についても指摘されたので
「先生がな、あんまり食べ過ぎも良くないって言っててん。やし、キャンドゥでいっぱい買っていいよ!」
結果を1週間後に聞きにくる旨の予約をし、そそくさと病院を後にする。
あたりはもうとっぷりと日がくれて、闇だ。
さっさと帰りたいところだが、彼女の功労を讃えてから帰る。
下のフロアのキャンドゥでバスボムやらを買い、駅前のパン屋さんで朝ご飯用に菓子パンを買った。(流石に今日ぐらいは…)
余談〜思春期早発症の治療
わたし自身も成長が早く、低学年は常に身長は高かった。
初潮は小学5年生で到来し、そこから身長がとまった。今は158㎝だ。
当時は思春期早発症という概念がなかったので、大きくても初潮が早くてもあまり気にしていなかった。
だが、今は低学年で初潮を迎える子もいるそうだ。(保健室の先生より)
その場合、どう処理する?周りの目も気になるし。
何より、初潮後の身長が伸びなかったら?
本人の精神的負担を考え、本人ともしっかり話をし、治療に踏み切ろうと考えた。
治療は、4週に1回注射を打って、一時的に成長を緩やかにしていく、というものだ。
(詳しくは、最初の方にリンクを貼ったのでそちらを見ていただきたい)
実はまだ、今現在注射も始まっていない。
これからの彼女の長距離マラソンに伴走していく覚悟はできた。
注射に慣れる日は来るんだろうか。