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ポジティブな職場環境の作り方 その1 そもそもコミュニケーションとは

今回は、職場での人間関係や環境をポジティブに保つためのヒントや関連しそうな最近学んだ理論や体験談なんかをまとめようと思います。長くなりそうなので5回くらいに投稿を分ける予定です。下記が予定アジェンダです(変更の可能性大いにあり)。

  1. コミュニケーションの基本

    1. パーソナルスペース、スティンザー効果など

    2. 初頭効果(系列位置効果)、ノイズなど

    3. ジョハリの窓、自己開示・呈示など

    4. 異文化理解

  2. 産業組織心理学

    1. グループダイナミクス

    2. コミットメント、動機付け、人事評価など

    3. ワークエンゲージメントなどなど

  3. マネージャーとして

    1. コーチング、リーダーシップなどなど

コミュニケーションの基本

知っているようで知らない、というか改めて論理的に説明しようとすると難しいのがコミュニケーション。コミュニケーションは一人では成り立たず、相手がいてはじめて成り立ちます。職場というのはまさにコミュニケーションの場。在宅勤務をしているとしても、メールやChat、オンライン会議などで人と話さない、関わることなく業務は進みません。そして言語としての「言葉」だけでなくて、「非言語記号」つまりノンバーバルといわれる身振り手振り、距離感、身体接触、あとは話すスピードや抑揚なんてのも大事です。

パーソナルスペース

アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールが分類した対人距離の4分類は有名です。

密接距離: 0 - 45cm (0 - 15cm は近接相)
個体距離:45 - 120cm (45 -75cm は近接相)
社会距離:120 - 350cm (120 - 200cm は近接相)
公共距離:350 - 700cm以上 (350 - 700cm は近接相)

パーソナルスペース - Wikipedia

これ、大学の授業で実験をしたのですが、本当に面白くて、親しい人だと確かに距離感が近くても違和感ないのですが、初めてお会いする方だったりあまり得意でない方だとやっぱり自然に距離広がるんですよね。あと実験では目の前から近づかれるのと、真後ろや斜めから近づかれるのではどのように感じ方が違うのか、目を開けてたりつぶってみたりと色々試しましたが人によって本当に感じ方は様々でした。特にコロナ禍でソーシャルディスタンスというのに慣れてしまった時期でもあったので、単純に相手への親密度によって距離が変わるというより、ある程度離れておくことが衛生的にもいい、という慣習が生まれてしまったので、私の個人的な距離感は誰に対しても本当に広かったですw

スティンザー効果

仕事の場合どんなに初めての人とでも何かと個体距離以内、つまり1.2m以内くらいには座ることが多いと思います。狭い会議室ならいきなり45㎝以内の密接距離なんてことも。その場合許されるなら座る位置は工夫したら話しやすいといわれてます。

例えば、米国心理学者スティンザーによる「スティンザー効果」というものがある。あなたと対面に座る人物はあなたに敵対的であり、斜め前に座る人物は友好的であるという。

 また、座り方には視線の交錯による緊張も作用する。正面だと視線の逃げ場がなく、緊張が生まれてしまうが、L字型(相手が斜め前)であれば、互いに視線が交差しながらも正面からぶつかることがないため、緊張がほぐれ友好的な関係を演出できる。

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私もよくチームメンバーと 1on1 を実施しますが、可能な限りL字型で斜めになるようにします。カウンター席のように隣すぎてもなんか親密すぎるし、50㎝くらい開けて90度くらいでしょうか。弊社の場合半円形のテーブルに椅子が4つ、一緒に大きなスクリーンを見る形の部屋があります。なので90度というより45度くらいかな?これは最適。あと一つの画面を一緒に見るというのもとても大切です。たとえ対面に座ったとしても、同じスクリーンやホワイトボードを見るようにして、「私対あなた」ではなく「私たちと問題」にする、「Weness(私たち)」になる効果もあるとファシリテーションの技法でもよく言われます。

初頭効果

これはエンマ様こと楯岡絵麻さんのお得意技で小説の中でも必ず毎回出てくる技法(行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ 著者佐藤青南)。とにかく第一印象がものすごく大事。最初の3分、いい人を演じること(心理学者アッシュによると7秒らしいです)。いきなりパーソナルスペースをつめて密接距離に入らず、適切だと思われる距離感で「いい人」となり、第一印象をよくしてます。また小説の中では取り調べを始めるときいきなり「刑事」として会話を始めるのではなくて、「人として」会話をはじめることで心を開いてる様子が描かれてます。

これすごく参考になるコミュニケーションの技法だなと思います。仕事でも突然プレゼンテーション資料広げて本題に入る人や何ならいきなり大声上げたりする人たまーにいらっしゃいますが、それでは、話したいことはおろか、まともにコミュニケーションがとれないのは分かるかと思います。まずは営業とお客様、チーム、マネージャーなどの肩書等はある意味一旦忘れて「人と人が知り合う」という第一印象がとっても大事。あと、オンライン会議あるあるですが、VideoがOnになっていない方。声も「おつかれさまでーす」ととても暗ーいテンションひくーい感じで入ってくる方。もちろんVideoをOnにすることを強制はできませんし、テンションあげろ、とは言いませんが、初頭効果を考えると、私は可能な限りVideoはOnでとにかく笑顔で、マネージャーとしてというより、「いい人」として笑顔で最初の3分頑張るようにしてます。
(3分後、顔が痙攣する前にVideo Offにしたりもしますがw)

でもとにかく円滑にコミュニケーションをとりたいなら最初だけ頑張るのは本当におすすめ。ちなみに、初頭効果は系列位置効果と呼ばれる理論の一部なんですが、それには「親近効果」があり、それは最後の締め方で印象が変わるというもので、「終わり良ければ総て良し」みたいな感じです。会議の最後にまとめをすることあると思いますが、あれがまさに親近効果に当たると思います。最後に言われたことは覚えてたりしますもんね。でも、多くの人が言うには、どんなに最後よい印象やまとめをしても、初頭効果、第一印象は覆せないとも言われます。なので、やっぱり最初が大事。ポジティブな雰囲気の職場のためには最初の3分俳優になる努力は惜しまないで、気持ちよくチームもお客様も、そして自分自身も働き続けられたらなと思います。

まとめ

すでに2500文字を超えたようなので、一旦ここで終えたいと思います。次はジョハリの窓や自己開示、自己呈示なんかを題材に書こうかなと思います。あと日々私が経験している異文化コミュニケーションについても触れられたなと。言語というだけでなくてやっぱり文化や生活環境が異なると本当にコミュニケーションは大変。でもだからこそ本当に学びが多く、刺激が多くて楽しいのも事実。そんなことも書き留められたと思います。


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