【最新号紹介】治療(CHIRYO)2月号 不明熱のカルテ
皆さまこんにちは.『治療』編集部のRです.
(遅くなりましたが)今年初のnote更新です! 本年も『治療』をどうぞよろしくお願いします!
さて,『治療』2月号の特集は,不明熱がテーマです.
発熱をきたす原因は数多くあるので,発熱症例の鑑別診断はとても奥深いです.
発熱診療のエキスパート達は,患者の情報や所見のどこに着目し,どのような疾患を想起して追加検査や治療を行い,鑑別疾患を絞り込んでいくのでしょうか.
特集の目次
“不明熱のカルテ”って何?
学会や雑誌で症例報告を見聞きしたときに,こんなふうに思ったことはありませんか?
演者/筆者「○○を疑い検査を行ったところ陽性で,確定診断に至りました」
「え? その限られた情報で○○(疾患名)を疑って検査オーダーできたの……?」
「✕✕(よりコモンな疾患)っぽいって思うわ~」
「そんな風にスマートに進めばいいけどネ……」
演者や筆者は「もう知っている」ので,さっぱりとした展開になるのだと思いますが,診断がつくまでの実際のプロセスは,さまざまな疾患の可能性を考え,ああでもないこうでもないと考え格闘する,もっと泥臭いものではないでしょうか?
そして,そこにこそ不明熱診療の醍醐味があると思います.
本特集は,発熱症例の診断に至るまでのリアルな思考過程をつぶさに読者と共有することがメインテーマです.まるでほかの医師が受け持っている発熱患者のカルテを覗いてみるかのような,臨場感ある不明熱診療を誌上体験できる特集,それが「不明熱のカルテ」です!
Illness scriptと disease / presentation map
本特集の各項目には,Illness scriptと disease / presentation mapという特徴的なしかけがあります.
Illness scriptは,「この患者さんはどのような背景がある方で,どのような病態か」を端的に表した短文です.
まずはこのIllness scriptを見て,「なるほど,考えられる疾患は……」と想像しながら読み始めてみてください.
disease / presentation mapは,その症例の疾患自体がコモンかレアか,病態が典型的か非典型的かを表した図です.
教科書には「△△値の上昇がみられる」,「若年女性に多い」など各疾患のさまざまな特徴が記載されていますが,実際にそれらすべての特徴を完璧に満たす症例は逆に珍しく,「非典型的なところがある方がむしろ典型的」なのではないでしょうか.
項目を最後まで読み終えたあと,このdisease / presentation mapを見てからもう一度読み返してみると,「確かにこれは〇〇(疾患名)にしては珍しいカモ」,「つい,“シマウマ探し”をしてしまっていたカモ……」など新たな発見があるかもしれません.
本特集では,示唆に富む18の発熱症例をご紹介いただきました.いずれもリアルで濃い内容ですので,ぜひご覧ください.
「治療(CHIRYO)」2023年2月号
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南山堂
文責:南山堂「治療」編集部 R